埋め立て地から見える住友化学工場↑
先日、翌日が定休日の夜、K子くんと飲んだ。
私よりちょうど一回り年下で、同じ申年の同業者である。
20:30にいつもの焼鳥屋で待ち合わせて、翌1:00まで同じ場所で飲み続けた。
そんなに話したかな?
周りに他の客が居なくなって、店員さんがなんとなく手持ちぶさたそうにしているのを察して、初めて時計に目をやったらその時刻。
我ながらよく飲む。
最初の方はまだ酒を味わう姿勢と記憶力がある。
(後だって、その刹那は最初と同じ姿勢の筈なのだが、記憶力が・・・)
いつもの一の蔵円融を注文すると、暫くして、売り切れとのこと。
仕方ないから別のものを注文する。
すると、やっぱりあったと、一の蔵を持ってくる。
まず、色が違う。
あの黄金色ではなく、透明な液体。
そして、独特の、ヒネ香寸前の熟成香がしない。
しかし、味わいは、面影がある。
間違えて持ってきたのではない。
多分、新しい瓶の封開けだろう。
それにしても、これだけ違うのか。
もしかすると、この店の一の蔵を飲む客は私だけなのかも知れない。
長く冷蔵庫で寝てたものを、私一人がチビチビと飲んで、それがようやく無くなったということなのかも知れない。
とすると、私のこれまで持ってきた一の蔵円融の官能メモを書き換える必要があるかも知れない。
新しい状態のそれは随分違う。
やっぱり日本酒は寝かした方が美味い。
秋あがりから尚1年くらい経過したものがいい。
少なくとも私はそう思う。
その店でK子くんと別れて、私はipodに格納した1960年代の歌謡曲を聴きながら、ほろ酔いでチャリンコに跨り、そぞろ帰る(こんな言い方あり?)。
途中でふと気が向いて方向転換。
最近、海辺に忽然と現れた建物を見てみたくなったのである。
それは、ある日車から見ると、海のすぐそばにポツンと立っていた。
マンションだと思った。
よく見るとうっすらピンク色?
あの位置ならさぞかし海の眺めがいいだろうなあと思った。
その数日後、新聞折り込みをチェックしてて吃驚。
なんと、それはラブホテルだった。
また、よくそんなものをあんなところに建てたものだ。
今度、チラシ配りのときに見てみよう。
そう思っていたことを、ほろ酔いの頭がふと思い出した。
まだ真っ直ぐ帰りたくないといった気持ちもあったのかも知れない。
工場問題で、漁業権保護の為に、漁協と、漁師の住宅を構える為に海を埋め立てた土地の端にそれはある。
だから、その住宅街を抜けて、くるっと回るとこうなっているのである。
なるほど、出入りが目立たないようにうまく建ててある(笑)
どの辺りにどういう風に建っているのかという興味が満たされたので、またゆっくりと帰ることにする。
今度は海岸の堤防沿いに走る。
心地よい風と、懐かしい唄と、穏やかな夜の海。
何故だか空で覚えている昔のCMがある。
アラン・ドロンがコートを羽織りながら外に出てきて、夜のパリの川沿いをそぞろ歩く。
その時に流れるナレーションがこうだ、
日本人のしっとりとしたナレーション
「私は帰ってゆく
宴よ 夜の風よ 追憶の彼方の初恋の女よ」
アラン・ドロン自身の声で
だーばん せりりごん いんでぃもでぃあむ(私の耳にはそう聞こえた)
もう30年くらい前のダーバンのCM。
アラン・ドロンは確か今年70歳。
私が映画館に一人で通い始めた中学生の頃は、
まだアメリカ映画よりも、フランス映画全盛だった。
ジャン・ギャバン ジャンポール・ベルモンド
そして、カトリーヌ・ドヌーブ。
時は否応なく流れる・・・
良かった~またラーメンかおうどん食べに行ったのかと心配しちゃいました(笑)
そういえばあの日は何故か腹の虫が騒がなかったなあ