過日、作家のどなたかが上げた傑作の中にこの本があった。
池波正太郎の「仕掛け人・藤枝梅安」シリーズの一作目だ。
んだば、読んでみっぺと、古本を取り寄せた。
時代劇ドラマで記憶のある藤枝梅安。
緒形拳や渡辺謙が演じていたが、作中に出てくる人物像は「坊主頭に、六尺(180cm)ほどの大男で両目はドングリのように小さく、額は大きく張り出し無骨な印象」とある。
となれば、どちらもちょっと違うような。
緒形拳では体格が不十分だし、渡辺謙ではちと男前過ぎる。
一番近いのは、村田 雄浩か。
ま、それはいいとして、兎に角面白い、痛快娯楽時代劇と言うべきか。
大金を報酬として殺しを請け負う仕掛け人、要するに殺し屋。
アウトローが、勧善懲悪といった常識から逸脱したハードボイルド。
冷酷だが、その隣には人情もある。
それは、池波正太郎があとがきに残した「人間は、よいことをしながら悪いことをし、悪いことをしながらよいことをしている」というテーマに沿ったもの。
血生臭い仕事を終えた後の食のシーン。
そこには酒がつきものだ。
乙なあてと旨い酒。
酒好きには堪らない件(くだり)だ。
そんなこんなで一気に読んでしまった。
続きが読みたい。
それは、一話完結の短編の連なりなので、先にある謎を読み解くといった待望感ではなく、梅安と彦次郎のその後を追いたいという単純なファン心理からくるものだ。
このシリーズは一体何冊?
と調べて見れば、七巻とのこと。
結局、全部取り寄せることにした。
すると、四巻まではどれも1円(送料が270円)なのだが、それ以降が74円。
それも見事に軒並み74円とな。
みんな競合他店の様子を見ながら値付けをしてるんだろうな、と。
ま、提示する送料と、実際の送料との差額で利益をあげなんとするのだろうからそれもアリか。
しかし、五巻から七巻の三冊は同じ店。
当然一緒に送られてくるだろうから、ちと送料を負けてくれないものだろうか。
我ながらせこい。
実は、それらも、単行本なら1円なのだ。
読むことだけが目的なら、そっちでいいのだが、読了後は全巻セットにしてヤフオクで売ろうかと考えており、となると、文庫で揃えた方が価値がある。
てか、単行本と文庫本が混在したセットなんて、カッコ悪すぎるだろう。
当然、梱包サイズも嵩んで送料も高くなるし。
となれば、200円余り余分の買い物は包括すべきだ。
我ながらせこい。
ともあれ、一義は読み通す事。
それらが届くのが待ち遠しい。
古本故、その日数もそれなりに掛かる。
これも安く入手するための我慢だ
全巻新品で求めると5390円。
古本ならおよそその半額程度で済む。
三度目だが、また書く。
我ながらせこい・・・
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