重松清の著作。
表紙を飾っている「太陽の塔」が目をひいた。
それも当時のものではなく、記念公園になった広っぱに立つ
それである。
読み進むうちに、それが大きな意味を持つ展開となる。
著者はたしか私より6歳ほど若い。
だが、その歳の差を感じさせない共通項を味わうことが楽しい。
廃墟化するマンモス団地のある「たまがわ」で同じ小学校に
通った同級生達が、廃校になる母校に埋めたタイムカプセルを
掘り起こすことからこの物語は始まる。
主人公が複数いるかのような仕立てになっていて、それぞれが
交錯しあいながら同時進行していく。
夢いっぱいだった小学生。
未来は大きく明るかった小学生。
その象徴として万博がある。
それから26年。
30代なかばの中年にさしかかった彼らの現在はそれぞれに
複雑である。
それでも、再度タイムカプセルを埋めることになる。
そして10年後に掘り起こそうという。
45歳になった僕たちはどうなっているのだろう・・・
という訳だ。
49歳になってしまっている私としては複雑な心境である。
タイムカプセルに、その日の夕焼けも閉じこめて蓋をする
という下りがある。
なるほど、人生の黄昏、「トワイライト」ということか・・・
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