銭函の海岸で。
最近は、新車の購入に際して、エコカー減税とか、補助金が出る。
エコカー減税は、「グリーン税制」として何年か前から始まっていたけど、今年度からは減税額が大幅に大きくなって、購入時の金額をそれなりに左右するようになった。
補助金は、初度登録が平成8年以前のクルマを廃車に出せば、たいていのファミリーカーを購入時に25万円の補助金が降りる。
こんな税金のバラ撒きを批判する人も少なくないけど、それは賛否両論あるとして、
まず間違いなく批判されるべきは、その「対象車」「対象外」の線引きだ。
25万円については、平成8年以前のクルマを廃車にすることで、購入する新車はたいていのファミリーカーで対象となる。
だから、まぁ良い。
が、廃車に関係無く、より厳しい基準をクリアした「エコカー」購入で10万円が出る方の補助金については、この「エコカーかどうか」の線引きが実に曖昧だ。
低排出ガスの☆が4つ・・・☆☆☆☆
かつ、
22年度燃費基準+15パーセント以上
の両立が必要だった、と思う。(数値はうろ覚え)
たぶん、曖昧なのはこの「燃費基準」だ。
コレ、重たいクルマほど燃費基準が甘い。
分かりやすいのだと、ヴィッツやデミオの場合、4WD車は対象にならない。
なのに、MPVやエクストレイルの4WD車の一部グレードでは対象になる。
まぁ、重たいクルマなりに頑張っているとか、
軽い車のわりにさほど良くないとか、
そういうことを加味する目的なんだろうけど、この線引きがおかしい。
たとえば同じエンジンを積んでいても、マーチの4WDはダメなのに、キューブの4WDは対象になる。
同じエンジンなのに、デミオスポルトの5MTはダメなのに、CVTは対象になる。
いずれも、後者のほうが重たいから。
デミオスポルトのケースだと、5MT車は1000kg(1000kg以下に該当)。CVTは20kgだか30kg重たくなるので、燃費基準が甘くなり、クリアとなる。
同じエンジンなのだから、実際の燃費はむしろ5MTのほうが良い可能性さえあるのに、だ。
(そのシフト効率からCVTのほうが燃費が良いという説もあるけど)
ついにその極地に達した問題作が、インプレッサの特別仕様車だ。
インプレッサの2WDは、今回のエコカー減税の対象になっていない。
これは、スバルの稼ぎ頭としては極めて問題がある。
そこにきてライバルのアクセラはアイドリングストップを引っさげてモデルチェンジ。
そこで登場したのがこの特別仕様車。
特別仕様車とは言え、実質販売台数の7割以上がこの特別仕様車へシフトしている。
なぜなら、「特別仕様」によって重量を重くすることで、10.15モード燃費はそのままに、燃費基準を達成して、減税対象にスベリ込んでいるのだ!
本末転倒もいいところ。
だれがどのような計算をしても、物理的に考えて、燃費は悪化しているのだ。
でも、基準だけはクリアしているから、減税対象なのだ。
スバルが悪いんじゃない。
そんな適当な線引きが悪い。
エンジンの効率をわずかでも上げることに身を削って研究するチームがあれば、
ボディの剛性と軽量化の両立に身を削っているチームもいる。
どちらも、燃費改善に大きな意味を持つ。
でも、その両立を果たすほどに、お国が定めた燃費基準から遠ざかる。
同じエンジンのままクルマのどっかにオモリを積ませれば、それで「エコカー」の出来上がり。
まじで思う。
国民をナメんな