そのままガーデン

雑草を生かしてガーデニングしたい。時間をかけずに庭を楽しみたい。自然そのままの庭の記録です。

ゆりかご

2015-07-22 21:11:32 | エッセイ
7月22日  


久しぶりにエッセイを読んでください。



ゆりかご

ゆりかごを数えている。
春になると早起きになる。寝室の窓のブラインド越しに、欅をしばらく眺めて起き上がる。
階段を下りて、ダイニングのうすいオレンジのカーテンを開ける。レースのカーテンも一緒に
勢いよくカーテンレールを滑らせる。全開が好きである。窓から緑の葉が見える。
楓の葉がもう少しで窓ガラスまで届きそうだ。
四月初めは堅い塊だった葉が少しずつ膨らみ、緩み開く様子を見たくて五時半に起きる。

今年は四月末に葉が全開になった。桜が散ると楓の葉が開く。
緑の葉はやわらかで可愛らしいがやがてたくましい緑になる。

去年、楓の葉にぶら下がっている葉のかたまりを見つけた。
昆虫の生態図鑑で調べると、ゆりかごだと分かった。
ゆりかごは円筒形の巣である。その中に卵が産みつけられ、さなぎになり外に出るまでの間、
それは子どもの食料になるそうだ。
卵を包んだゆりかごが楓の枝で揺れている。

楓の枝の下に立ち、上を見上げる。風にそよぐ葉音がする。
下の枝の濃い緑と先端のよわよわしい緑、黄緑のやわらかな葉には赤い葉脈が広がる。
色とりどりのみどりと青空のコントラストが鮮やかだ。
雉がかん高く鳴き、ホトトギスも鳴く。
今年もゆりかごがある。
緑のものと茶色に変色したもの、いつくあるか数えていた。
すると、赤い虫が葉の上を行ったり来たり忙しく動いている。オトシブミである。
てんとう虫よりちょっと大きい虫でゾウムシの仲間だそうだ。
ゆりかご作りが気になってたびたび庭に出る。
どうやって巣を作るかを観察した。


明日に続く。

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