前作「デッドエンド」の続編。千葉刑務所を脱獄し、亡き妻の復讐と娘・萌子の誘拐事件を解決してから三年後。笠原武大は輪島で塗師として修業の日々を送り、萌子は金沢の伯父の家に下宿しながら高校に通っていた。春の雨の夜、何者かが離れて暮らす二人を同時に襲った。笠原は不意を衝かれて囚われの身となるが、萌子は辛くもバイクで逃げ延びた。一方、警察庁警備局公安課特別捜査室〝サクラ〟に所属する田臥健吾と室井智は、父娘失踪の報を聞き、萌子誘拐事件の主犯でありながら罪を免れた日本神道連議会の板倉勘司の関与を疑って板倉もとに乗り込むが・・・。
キックボクシングをし、別居している父親とはSNSで情報をやりとりする高3の美少女。前作デッドエンドではが誘拐され、母親を殺されたが、今度は父親の行方を追って「文殊」のある福井県敦賀から京都へ、バイクに乗って父親を助けに行く。看護婦の塚間有美子も笠原武大を助けに京都へ。残虐な殺人シーンや破天荒で荒唐無稽な筋書きに国の原発政策に絡む利権や北朝鮮のプラトニウム略奪密航集団、ネット掲示板で雇われた男たちなどが絡み現実の事件や政治を散りばめそれらしく展開されるが読み物としては面白いが原発の絡むテーマは良いのでリアル感のあるドラマならもっといいのにと思う。
2018年10月双葉社刊
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