恋人に去られ父親を亡くしたばかりの弁護士・村瀬快彦は傷害致死事件を起こし服役中の従兄弟の蓮見亮介の身元引受人となり、釈放後に二人は川越の家で暮らし始める。小学6年生のときに母親が自殺し、それ以来、他人と深く関わるのを避けてきた快彦だったが、明るくてお調子者の亮介と交流することで人として変化成長していく。だが、ある日、母が結婚する前に父親の安彦に送った手紙を見つけ、母は結婚前に快彦を妊娠していて、快彦に知られてはならない秘密を抱えていた衝撃の事実を知る。やがて、その出生の秘密は亮介の傷害致死事件とも繋がっていた。他人と触れ合うことの喜びと難しさ、人殺しの罪と贖罪。つらい過去を背負った二人が共に暮らすことで成長し、全ての過去と罪を受け入れ、本当の友達になれるのか・・・。母親の自殺、亮介の父親の失踪、そして亮介の犯罪そのものの真相とは。展開が予測できてしまう点もあるが、実は二人とも自分に厳しく、他人を思いやれる人達。これから先、決して平坦な道ではないだろうが、籠から抜け出し、助け合いながらささやかな人生が予想される結末は感動物語でした。 2024年7月双葉社刊
« 今野敏著「一夜 隠蔽捜査10」 | トップ |
最新の画像[もっと見る]
- 薬丸岳著「籠の中のふたり」 17時間前
- 今野敏著「一夜 隠蔽捜査10」 4日前
- 今野敏著「審議官 隠蔽捜査9.5 」 1週間前
- 香能諒一著「鉄のほころび 刑事花房京子」 1週間前
- 青塚古墳 2週間前
- 青塚古墳 2週間前
- 雫井侑介著「互換性の王子」 2週間前
- 逸木裕著「祝祭の子」 3週間前
- 柴田哲孝著「抹 殺」 3週間前
- 香能諒一著「川崎警察 真夏闇」 4週間前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます