千葉県警の警察官が殺された。捜査にあたるのは、県警捜査一課で検挙率トップの班を率いる警部・高頭冴子。陰では「アマゾネス」と綽名される彼女は、事件の目撃者である八歳の少年・御堂猛から話を聞くことに。そこで猛が犯人だと示したのは、意外な人物だった。思わぬことから殺人事件の濡れ衣を着せられた冴子。自分の無実を証明できる猛を連れて大阪へ逃げだすのだが・・・。
後半最大のピンチでの突破場面の荒唐無稽な展開はさすがにあり得ずリアル感に欠ける。その結果作品全体の完成度が下がってしまった。刑事の冴子とやくざの山崎のやり取りが一番面白かった。
「人にはいくつもの顔があって、いくつもの言葉を持っている。その都度その都度変わっていく。・・・人はそんなに単純なものじゃない。単純でないものを単純に分類すると、取り返しのつかない間違いを犯す。」(P319)
2017年12月PHP研究所刊
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