伝奇アクション小説。前作「わが名はオズヌ」の続編。なぜか神奈川県内で薬物売買や売春などの少年犯罪が急増しはじめた。県警少年捜査課の巡査部長高尾勇と部下の丸木正太巡査が一連の事件を洗い始めると、彼らは"普通の高校生"で、いずれも人気バンド「スカG」のボーカルの女性「ミサキ」の信奉者だった。圧倒的なカリスマ人気を誇るミサキの歌を直接聞くことによって、若者が街頭犯罪への躊躇いが無くなっていくと推察する。果たして、彼女は事件に関係しているのか? 一方、高尾のよく知る高校生・赤岩猛雄が薬物売買の疑いで逮捕されようとしていた。彼は元暴走族リーダーだったが、かつての仲間が犯罪に手を染めるのを阻止したという。高尾は、オヌズの憑依者(修験道の開祖役小角の呪術力を操るという謎の高校生)・賀茂晶の協力を得て、事件の背後に潜む黒幕の正体をあぶり出そうとするが・・・・・。未来に期待が持てない若者たち。そんな日本社会、政治が悪いのか展開・解決方法はコミック的だし、前作を読んでいないのだが十分楽しめた。前作機会があれば読んでみたい。
2021年10月小学館刊
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます