読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

貫井徳郎著「我が心の底の光」

2016-02-08 | な行
80年代の日本に生を受けながら、豊かさとは無縁に、飢えて育った峰岸晄。
五歳で伯父夫婦に引き取られ、空腹を抱えながら育った。
母は死に、父は人を殺したからだった。学校では、椅子に画鋲が置いてあったり、ひどいいじめに遭った。
幼なじみの木下怜菜は万引きまでさせられる晄をただ一人、案じてくれる存在だった。
深い孤独の闇の中で、晄が向かう先は何が・・・。
ひどい環境の中で育った子供がどのような軌跡を描いて大人になって行くのか描かれて、
嫌な予感の禁じ得ない中読み進めていて結末はやはりガッカリの暗い結末に再度ガッカリ。
心の闇がどのように広がり、増殖し、精神が蝕んでいくのか感情を殺して生きる彼の心の底に差す光は復讐の生き甲斐だけだったのは残念。
全編を覆う「無温の世界」は楽しめませんでした。
2015年1月双葉社刊

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