EV=電気自動車。日本と米国、中国を中心とした産業・政治シミュレーション小説。ますます深刻な地球温暖化の前に、欧米では遅くとも2035年までに新車販売は電気のみで動く車に限られるというエンジン車の新車販売が規制される。また中国が2030年をめどに、国内の新車販売をすべて環境対応車に変更するという。このような世界情勢を前にしても、既存産業への配慮と圧力から日本政府は有効な手を打てずにいた。このままでは、日本の自動車関連就業人口534万人のうちの多くが路頭に迷う可能性がある。だが、いったいどうすればいいのか?と経産省の自動車課に籍を置く瀬戸崎啓介は焦りを募らせる。
中国の周・・。ステラのCEOイーロン・M。T自動車などリアル世界のそれらしい人物が登場するのだが登場人物が多すぎて読み進めるのに苦労した。今の日本の官僚の中に主人公のような先見の明の有る熱血漢が居れば頼もしいのだが。「近い将来の日本の産業の在り方」を考えるヒントにはなる小説だった。
2021年9月角川春樹事務所刊
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