読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
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堂場瞬一著「小さき王たち 第三部激流」

2022-12-06 | 堂場瞬一
1971年からの現代日本の政治と報道をめぐる大河政治マスコミ小説三部作完結第3部。パンデミックに喘ぐ2021年の日本。政治家が不祥事を起こしても新聞は追及しきれない。政権党の民自党顧問・田岡が目指す政治によるマスコミ支配が進んだ結果であった。田岡に抵抗する東日新聞顧問・高樹は、この戦いに、孫の健介を東日新聞新潟支局記者として投じる。田岡王国と呼ばれる新潟の地盤を継いだ田岡の息子を スキャンダルで追い詰め、落選させるためなのだ。だが、田岡の孫愛海も地元テレビ局NBS報道記者として勤務していた。五十年にわたる高樹家田岡家の二家の因縁が決着しようとしていた。選挙での政治家の表には見えない部分と不正を許さない記者との戦いがリアルに描かれています。今回はその令和時代コロナ渦に揺れる孫世代の因縁対決と結末が描かれている。「問題を起こしても謝罪しない政治家が増えた。選挙で当選すればすべて許されると思っている。」(P314)「メディア側は政治に忖度して、書くことを書けない。・・・問題があったら是々非々で書くべきだ。癒着と忖度の関係は・・・」(P315)「政治もメディアも劣化して日本は沈没しつつある。」(P417)
2022年10月早川書房刊



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