読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

阿津川辰海著「録音された誘惑」

2022-12-04 | あ行
誘拐されたのは探偵自身。家族の危機を救うのも探偵。謎めいた依頼を受けたのも探偵―誘拐犯に立ち向かうのも探偵。大野探偵事務所の所長・大野糺が誘拐されたのだ。耳が良いのがとりえの助手・山口美々香は様々な手掛かりから、微妙な違和感を聞き逃さず真実に迫るが、その裏には15年前のある事件の影があった。資産家である実家・大野家に突きつけられる犯人からの要求。奇しくもその日は妹・早紀の誕生日パーティー。海外出張で不在の父を除いて屋敷に集結していた母・美佳、叔父・楽、弟・智章、早紀の恋人・熊谷の面々、そして糺を訪ね偶然居合わせた助手の美々香がいた。並行して美々香の父母の元へ美々香の代理に訪れる望月の視点も描かれる。事件の裏側のドラマ、練りに練られた伏線からの真相のまさかの驚きに誘拐犯と探偵たちの息詰まる攻防を経て、二転三転した真相が明かされる。緻密に仕掛けられた構成に脱帽。
2022年8月光文社刊 


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