読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
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柴田哲孝著「抹 殺」

2025-01-14 | さ行
2012年1月から2017年5月まで、日本国政府は自衛隊を南スーダンへ派遣していた。 過去にも自衛隊は海外派遣されているが、南スーダンでのPKO活動はその中で最も過酷とも言われている。その南スーダンでの過酷なPKOの中で、非戦闘地域での非戦闘活動のみとされていた自衛隊の活動が、実際には戦闘地域であった事などから、後に自衛隊日報隠蔽事件に発展する事となった。その自衛隊日報問題を題材に描かれた緊迫の軍事サスペンスミステリー。政府軍に占拠され人質になった国境なき医師団の邦人女性医師の奪還作戦を遂行し一人の隊員の犠牲者を出すも成功する。しかし、その作戦は隠蔽され、参加した隊員たちの命が次々と狙われていく。あの救出作戦は何のための闘いだったのか。「殺られる前に敵を殺れ」自衛隊特殊部隊「特戦群」では常に、そう教えられてきた。元自衛隊員の遺体がまた見つかった。共通するのは、政情不安下の南スーダンにPKO部隊として派遣された「特戦群」メンバーだったこと。俺たちは狙われている同じ隊に所属していた風戸亮司の疑惑は深まり、危機からの突破口を探り始める。時を同じくして長谷川麻衣子医師が南スーダンから帰国し愛娘と再会した。だがその直後、元夫は何者かにひき殺される凄惨な悲劇に遭遇する。彼の地に関わった者たちに迫る不穏な影の正体は? そして、その目的とは?史実と創作と虚実入り混じった小説だが愛知県内奥地過疎地で繰り広げられる在り得ない攻防はスリル感あり中々面白かった。
2024年9月光文社刊


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