「日本の警察」シリーズ。公安一課と捜査一課。父の系譜をたどる息子たち。「鷹の系譜」の続編、平成ミレニアム編。「世の中は変わる。変わる世の中に対応するのが、警察の仕事だ。」21世紀に沸く平成日本。海外逃亡していたはずの極左の最高幹部が突然仙台に現れ、公安に衝撃が走った。身柄の移送を担当した公安一課の海老沢は、警察官人生最大の痛恨の失敗を犯す。一方、捜査一課の高峰は目黒の空き家で殺害された元代議士秘書の身辺を探るもの、被害者の経歴には6年間の不自然な空白があった。新聞記者からの思わぬ情報がもたらされ。死の床にある元刑事の父の言葉。そして海老沢に下った極秘の特命捜査。やがて事件の様相は一変する。舞台となった2000年12月から2001年の2月まで。60-70年代の学生運動や極左テロから、30~40年後。当時起きたオウム事件やスポーツイベントの結果、携帯電話やネットの普及、鉄道の磁気カード決済の利用など社会背景を交えながら進むのだが進展が遅くイラつく。結末も納得のいかない動機で公安と捜査一課の共同捜査が唯一の面白部分のようでした。
2023年7月講談社刊
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