読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

本城雅人著「友を待つ」

2018-09-24 | は行

週刊誌記者をたちのチームワークを描いたミステリー。特ダネを抜きつ抜かれつの週刊誌が舞台。新聞は事件を、週刊誌は人間を追いかける。「親しき仲にもスキャンダル」を信条とし取材対象者へ独特の感性で切り込み、数々のスクープを飛ばしてきた伝説の週刊誌記者瓦間慎也が、女性宅への不法侵入と窃盗の容疑で逮捕された。窃盗容疑は否認する中、一言だけ取調中に語った「友を待つ」。その真意とは何なのか? 言葉の意味と目的を調べはじめた週刊タイムス副編集長新見正義や後輩記者たちと、かつてコンビを組んだ元週刊誌記者・現家具職人の石橋勲が真相を究明し、十年前のある官僚との因縁に原因があることに気づく。一方取り調べを担当していた目黒署の係長長谷川涼子は・・・。

過去の人間関係、政治家と警察と複雑に絡んで面白かった。「友との絆」の意味も考えさせられた。警察側の視点は、シングルマザーとしての奮闘する長谷川の様子や警察の縦社会・男社会でもがき苦しみ戦う、私生活も丁寧に描かれていて展開に深みを増している。濃厚な人間ドラマとしても楽しめた。

20187月東京創元社刊


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