週刊誌記者間戸村のスクープ獲得の手伝いをしている僕、坂木錠也。この仕事を選んだのは、スリルのある環境に身を置いて心拍数を上げることで、“もう一人の僕”にならずにすむからだ。昔、児童養護施設「青光園」でともに育ったひかりさんが教えてくれた。僕のような人間を、サイコパスと言うらしい。最近は、抗うつ剤「トリプタノール」を飲むことによりまともな状態を保てている。でもある日、児童養護施設でともに育った仲間「うどん」こと順平から電話がかかってきて、日常が変わりはじめた。これまで必死に守ってきた平穏が、壊れてしまう。
・・・・恐怖という感情を持たないサイコパス、坂木錠也の一人称で物語は進むのだが、第二章までは話は淡々と進むが、第三章でそれまでの内容がガラリと変わる。後半、貴島鍵也が登場してどっちがどっち?だと混乱してしまった。多重人格の殺人者が・・・と思ったら作者のトリックだ。人格を作るのは遺伝か環境か?瀕死の床で母が残した箱「蓋をひらくまで待たなくてはなりません。そして、蓋が開いたら。小箱にどんな素晴らしいものが入っているか、わかることでしょう」(P272)
『スケルトンキーは非常に単純なデザインの鍵で、軸は円筒状で、先端に小さく平坦な矩形上の歯(合い形)がついている。スケルトンキーはウォード錠の施錠機構を出し抜くよう設計されている。ウォード錠とその鍵はセキュリティ能力が低く、その鍵と同じ寸法かもっと小さいスケルトンキーでも開錠でき、スケルトンキーは多数のウォード錠を開錠できることが多い。スケルトンキーでなくても、ウォード錠の鍵穴にフィットする物体なら開錠できる可能性があった。ウォード錠は、セキュリティ能力が低いため、より複雑な錠前が製造可能になると廃れていった。今では "skeleton key" は本来の鍵の種類を指すのではなく、「合い鍵」の意味で使われることが多い。ウォード錠は今でも古い家や古い家具などに見られる。』(Wikipediaより)
2018年7月角川書店刊
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