舞台は、近未来の東京渋谷。家族をもたず、信じることを知らない少年ストリートチルドレンのイオンを主人公にしたサバイバル物語。
近未来の東京の荒廃は凄まじい、自殺者年間3万人、増え続ける失業者、生活保護受給者の増加、格差社会の拡大はこのまま行けばきっとこうなるのではという認めたくない社会。
登場する少年たちにしても単に親に捨てられた子供でなく、カルト的実験集団で育った過去を持つ設定は想像外だった。
『おとなは3種類だ。優しいか、優しくないか、どっちつかずか。優しいおとなは滅多にいない。優しくないおとなからは、すぐ逃げろ。でも、一番僕たちを苦しめるのは、どっちつかずのやつらだ。しかも、そいつらは数が多い。絶体に信用するな。ともかく、おとなを見極めろ。それしか僕たちの生きる道はない』(P58)
随所の挿画・挿絵がいい。暗い陰湿な雰囲気が漂う作品で好き嫌いがはっきり別れる作品だろうが
人間関係がご都合主義的でオチ・結末も不満。何が言いたかったのか掘り下げ不足の感あり。
話しが破綻しそうでそのハラハラがスリルだった。
2010年9月中央公論新社刊
近未来の東京の荒廃は凄まじい、自殺者年間3万人、増え続ける失業者、生活保護受給者の増加、格差社会の拡大はこのまま行けばきっとこうなるのではという認めたくない社会。
登場する少年たちにしても単に親に捨てられた子供でなく、カルト的実験集団で育った過去を持つ設定は想像外だった。
『おとなは3種類だ。優しいか、優しくないか、どっちつかずか。優しいおとなは滅多にいない。優しくないおとなからは、すぐ逃げろ。でも、一番僕たちを苦しめるのは、どっちつかずのやつらだ。しかも、そいつらは数が多い。絶体に信用するな。ともかく、おとなを見極めろ。それしか僕たちの生きる道はない』(P58)
随所の挿画・挿絵がいい。暗い陰湿な雰囲気が漂う作品で好き嫌いがはっきり別れる作品だろうが
人間関係がご都合主義的でオチ・結末も不満。何が言いたかったのか掘り下げ不足の感あり。
話しが破綻しそうでそのハラハラがスリルだった。
2010年9月中央公論新社刊