実際の「誘拐」は罪が重いし苦労の割りに割の合わない犯罪ですが、小説ではよく取り上げられる実に魅力的なテーマです。
だが、もし自分でも「犯人」だと思っていたのに、実は「被害者」にされていたらどうだろうか?
物語の発端は、小さな誘拐未遂事件だった。5歳の圭太は、歯科医の父親と
離婚した母親と一緒に実家で暮らしている。
あるときスーパーで母親が目を離したすきに圭太は、「実の父親」を名乗る男に車で連れ去られそうになる。
だが、母親は圭太には知られたくない出生の秘密があった為未遂事件を警察に届けなかった。
やがて2月末日に本物の誘拐事件が起きる。
香奈子が一番大きな恐怖に駆られたのは、幼稚園の玄関先で担任が
「あなたにちゃんと圭太クン渡したじゃないですか」と言い出したときだった。
造花に蜂蜜を塗っておくと蜜蜂が寄ってくるという。
女王蜂と働き蜂・・・造花の蜜はどんな妖しい香りを放つのだろうか、大きなどんでん返しが待ち受けるミステリー小説。
一つ目は冒頭の誘拐事件で、2つ目は事件の本当の顔ともいうべきその舞台裏が
描かれ、3つ目は最初の事件の後日談のような誘拐事件が起こる。
蜂を操る「蘭」と名乗る女王蜂の女ルパンの一味がやり遂げた痛快誘拐事件。
「青一色の世界に埋もれていると青という色を感じ取ることができない
犯罪を犯罪という尺度で測れば犯罪でなくなるのではないか」(本文より)・・・目指すのは白い犯罪、「潔白な犯罪」犯人が被害者になり、味方が敵になる。
本人かと思えば偽者が現れる。息つく間もないようなどんでん返しの連続。
読むのが途中で止められない。先の読めない誘拐劇を十分に楽める。
登場人物達の心の揺らぎ心理描写が面白い。
(2008年10月 角川春樹事務所刊・1890円)
だが、もし自分でも「犯人」だと思っていたのに、実は「被害者」にされていたらどうだろうか?
物語の発端は、小さな誘拐未遂事件だった。5歳の圭太は、歯科医の父親と
離婚した母親と一緒に実家で暮らしている。
あるときスーパーで母親が目を離したすきに圭太は、「実の父親」を名乗る男に車で連れ去られそうになる。
だが、母親は圭太には知られたくない出生の秘密があった為未遂事件を警察に届けなかった。
やがて2月末日に本物の誘拐事件が起きる。
香奈子が一番大きな恐怖に駆られたのは、幼稚園の玄関先で担任が
「あなたにちゃんと圭太クン渡したじゃないですか」と言い出したときだった。
造花に蜂蜜を塗っておくと蜜蜂が寄ってくるという。
女王蜂と働き蜂・・・造花の蜜はどんな妖しい香りを放つのだろうか、大きなどんでん返しが待ち受けるミステリー小説。
一つ目は冒頭の誘拐事件で、2つ目は事件の本当の顔ともいうべきその舞台裏が
描かれ、3つ目は最初の事件の後日談のような誘拐事件が起こる。
蜂を操る「蘭」と名乗る女王蜂の女ルパンの一味がやり遂げた痛快誘拐事件。
「青一色の世界に埋もれていると青という色を感じ取ることができない
犯罪を犯罪という尺度で測れば犯罪でなくなるのではないか」(本文より)・・・目指すのは白い犯罪、「潔白な犯罪」犯人が被害者になり、味方が敵になる。
本人かと思えば偽者が現れる。息つく間もないようなどんでん返しの連続。
読むのが途中で止められない。先の読めない誘拐劇を十分に楽める。
登場人物達の心の揺らぎ心理描写が面白い。
(2008年10月 角川春樹事務所刊・1890円)
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