「一人で勝手にやれば」語る会 ７

その原稿のはじめの部分には「そば切り　一燈」での、今まで体験した面白い話や失敗談を幾つも紹介してありました。そしたら、予想していた以上の厳しい反応が返ってきました。娘が云うのには「そんな話したら、益々一燈のお客さんが減ってしまう」とのこと。その上、「できたらそんなこと止めてほしい」とまで云われてしまいました。そして、もう一人の娘にも云われてしまいました。「そんなにみんなの前で話したいの？ブログにでも載せておけばイイじゃん」　続く。

「一人で勝手にやれば」語る会 ６

実は、今回、「皆さんの前でお話ししたいんだ」と女房にしたところ
「一人で勝手にやれば」というつれない返事が返ってきました。だから、「一人で勝手にやれば」語る会ということにしたんです。私がみんなの前でお話しすることには、反対する人がたくさんいました。特に身内には、とっても不評だったんです。一番私のことを客観的に、又、批判的に見ているであろう娘に、今回の原稿を見てもらいました。よく見てくれたと思います。２月でした。

一人で勝手にやれば語る会 ５

皆さんの前でお話しする講演会などの講師というと、普通は特殊の能力のある一般に名の通った方か、知識人、有名人の方々だと思います。私などが皆さんの前でお話しなど、とんでもないことだと思います。「おっちょこちょい」なんです。地域で何か特別な役職を持って活躍しているわけでもないですし、資格や肩書きなど何にもありません。ごくごく普通の蕎麦屋のおじいさんです。たまに、家にいて孫達が見るテレビマンガには背中を向け不機嫌な顔をしています。お笑い芸人の番組が流れていても、全く面白さが解りません。興味が無いどころか気分が悪くなってきます。こんな私ですから、子供や孫を笑わそうと思ってジョークを言ったつもりでも誰も笑ってくれないどころかシラケています。そんな私が皆さんの前でお話しをやるんですから、非常識で無謀なんです。何か勘違いをしたのだと思います。それは解っているんですが、止められなかったのです。

一人で勝手にやれば語る会

本日はお忙しい中、このように大勢の皆様にお集まりいただいて感謝申し上げます。今日お集まりいただいた皆様方は、私にとって、お一人お一人みんなご縁のある大切な方々ばかりだと思っています。そばに行って、お一人お一人にお礼を言いたい気持ちです。本当に有り難うございます。でも、貴重なお時間を作ってせっかくお集まりいただいても、たいしたお話しなどできません。日頃私が思っていること、感じたことを皆さんに聞いていただきたくてこのようなことになっただけです。

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震災当日から１週間後、３月１８日付けの新聞に、９９歳の柴田トヨさんの詩が掲載されました。柴田トヨさんは、９０歳ぐらいから詩の創作を初め、処女詩集「くじけないで」が１５０万部のベストセラーになった詩人です。この手の詩集で１５０万部などというのは群を抜いて初めてだそうです。９９歳というのに、何とも云えない素晴らしい表情のお顔をされているお婆ちゃんです。その一人暮らしをされている柴田トヨさんも宇都宮市内で震度６強の地震に見舞われ、家財が散乱するなど大変だったそうです。ちょうどその時間は入浴中でしたが、看護師さんと一緒だったので無事だったそうです。今回の被災された皆様に、詩と共に印税の中から１００万円の寄付の申込みがあったそうです。その柴田トヨさんの詩、「被災者の皆様に」をご紹介させていただきたいと思います。

「被災者の皆様に」
あぁ　なんという
ことでしょう
テレビを見ながら
唯　手をあわすばかりです

皆様の心の中は
今も余震が来て
傷痕がさらに
深ぐなっていると思います
その傷痕に
薬を塗ってあげたい
人間誰しもの気持ちです
私も　できることは
ないだろうか？　考えます

もうすぐ１００歳になる私
天国に行く日も
近いでしょう
その時は　日射しとなり
そよ風になって
皆様を応援します

これから　辛い日々が
続くでしょうが
朝はかならず　やってきます
くじけないで！

柴田トヨ