ならおうは穏やかに語る

Fly Fishingを中心に難しい話からヨタ話まで支離滅裂な雑文。
(09/08/23カウンターを付けました。)

臨界点 黒木昭雄

2008-10-05 16:40:22 | Weblog
臨界点 黒木昭雄
読んだ。一気に読んだ。新宿鮫の様にドラマチックな展開は無いが、腐敗組織と戦う人々の熱意が感じられた。キーマンとなる中川一邦は著者の黒木昭雄の分身だ。「元警視庁巡査部長でジャーナリスト」という肩書きが語っている。
本書は最後に希望の灯が灯されている。頭の中に"This is song of hope"という響きと共に"Stairway to Heaven"が流れた。
「警察組織末端は悪くない。彼等は正義のために実を粉にして働いている。」この辺のフレーズはは新宿鮫シリーズにも共通している。日々末端で働く警官を悪としてはならない。通勤時に見かける派出所のお巡りさん。小学校登校児童へかける「おはよう」。彼等は悪じゃない。これはモーニングに連載されていた「刑事(デカ)が一匹」も同じか。

巨悪は影に、組織の中枢に潜んでいる。本書も巨悪をぶちのめす物語だが、本書でぶちのめされる巨悪は案外小さい。なれば裏の巨悪の中の巨悪、組織の中枢に巣くう魔物には手が届かないからだ。これは新宿鮫も同じかも知れない。古くは男組なども巨悪に立ち向かっていた。

巨悪という言葉に私はライブドア事件を想起する。ライブドア事件は子会社の利益を親会社に回したことだった。利益の付け替えで国税庁との見解違いだ。この辺は「ライブドア・二重の虚構」を読んでもらった方がよいかも。ま、短期投資好きの博打好きが損しただけですけどね。ここでは『ライブドア憎し』の「メディアの支配者」を忘れないようにしたい。最近表に出てこないけど。

しかし、本著作に戻るがここまで警察実態を明らかにして本当に黒木氏は大丈夫なんだろうか・・・。

帯にある宮崎学氏のコメント「コレが警察の真実の姿だ!この作家は抹殺される」がかなり気になります。


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