ならおうは穏やかに語る

Fly Fishingを中心に難しい話からヨタ話まで支離滅裂な雑文。
(09/08/23カウンターを付けました。)

ちょっとまじめな話

2012-07-21 12:37:40 | Weblog
中国出張の目的等は書けないが、現地のスタッフ等と話込んで気づいた事。
今朝の日経でカセット式のビデオカメラがメモリーカード型に駆逐された事とも絡む。

日本の強みだった精密加工技術、精密機械技術とその設計。アナログ回路とアナログメカニズム。精緻を極めていた。
パスポートサイズ以下のビデオカメラ。それを設計・量産できた技術はもうすぐ失われる。
スマホの中、つまりデジタル化された製品になってしまったら、上記の技術は不要だ。
よって往時の日本を支えてきた職人たちの境遇は酷いものになってしまった。

最先端技術といわれている液晶も有機ELも半導体も基本的には印刷技術。材料投入順序、温度制御等のアナログノウハウと回路設計の稚拙という問題(これは経験でカバーできる)はあるが、微細加工技術に較べたら数値制御の世界。
NCによる数値制御加工ですごい部品は作れるが、その公差をどうこうして、それを補うためのなんたらかんたらってのは職人のアナログ思考が無いとちゃんとした物は作れない。
極端な例が簡単に思えるコピー機。30年前を思い出してみよう。紙つまりなんてザラだった。しかし、最近のコピー機で紙つまりしませんよね。これらはまだまだ日本が強い分野。この辺の加工技術と設計マージン等の擦り合わせが必要な電気製品が殆ど消えてしまった。

しかし、物は考えようで、例えばターミネータに出てくるようなロボット。あの制御と細やかな動き等は今の日本の精密加工技術と精密機械技術を駆使すれば出来る。それができる職人と技術者はもうすぐ大量放出される。

人が大事なんて事を言ってる経営者が多いが、旧来技術と馬鹿にするのではなく、この日本にしかないアナログの精密加工・精密機械技術を活用できる商品を考えるべきなんだろう。
それを職人に問いかける事は無意味だ。職人は全体像を俯瞰する事が不得意なんだから。

結局ロボット技術に落ち着くのかもしれないけど、産業用ロボットは日本が凄い。ま、これをガンダムにせよとは言わんが。ミリスケールの機械製品が生み出す何かの世界があるかも知れない。

さて、中国帰りで微熱(37.8℃までなんとか38℃未満なのでインフルじゃないと断定)でちょっと(いつもと同じく)ぼけっとしていたが、もう少しつけ加える。

日本
人口1億人
年収X千万円万円以上の世帯が10%とする。

中国
人口10億人
年収X千万以上の世帯が1%とする。

なんと、年収X千万円以上の世帯の数は日本と中国で同じになる。

これは年収を横軸に頻度を縦軸に取ったヒストグラムで考えると同じ様な事が言える。

単純化するため正規分布で計算しているし、平均値よりも大きな標準偏差をあてがっているし、年収ゼロの存在をどうするのかという概念もあるが、いずれにせよ、高い山であれば低い山の裾を上回るということだ。

これはもう、各国の自動車メーカーが枚挙して中国生産している理由でもあるし、6年前と異なってここ3年以内の車だらけの中国の事情も自動車メーカーの意気込みとして現れている。車を買える層の総数が日本マーケットよりもでかいんだから・・・。
GDPで判断したらだまされるよね。

というマーケットの話は置いといて、やはり日本の得意な所ってどこかのアホがすぐにガラパゴスとか言って馬鹿にするけど、誰にもマネの出来ない精密加工技術って所だと思う。





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2 コメント

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Unknown (ならおう)
2012-07-21 20:21:35
デジタル制御だけではない、アナログ制御のロボットしか無いのかな?と思います。ムラタセイサク君、AIBO、ASIMOがその路線かな?と。コピー機を例に出しましたが、プリンターも同様かと。あとは案外難しい掃除機と洗濯機、そして調理家電やエアコンかもしれません。メカトロニクスと同時にアナログな部分の制御は器用さと幅広い知見、そして使い勝手が要求されるので、そのきめ細かさを如何に活かすかが重要と思います。

中国の探るパワーも凄いですけど、あかんかったら次!とちょっと替えて出す根性が凄いかも。

さて、マジメついでに追記しておきました。
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アナログ (きゃま)
2012-07-21 19:01:10
強い技術が、必ずしも求められる技術になってないところが、難しいところですね。
デジカメの日本のレンズ技術は高くても、お客さんの欲しいレンズのレベルは、低くても十分ってのは、よくある話ですし。
中国は、お客さんの欲しいものを貪欲に探るパワーが、日本よりすごいと思う。日本のメーカーは、スペック競争いつまでやるつもりなんでしょうねえ。
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