菊菜のおひたしで悲劇は起こる。

それは突然の出来事だった。菊菜のおひたしを口いっぱいに含み、青菜の触感と若干の醤油味を楽しんでいる最中だった。記憶の奥底にある臭いが口から鼻に抜けてくる。新鮮な青菜の芽の香りではなくカルダモンの刺激に近い。しかし鼻に抜けてくる臭いが増えるに従い、あるものへ確信していく。
それはカメムシ。
そして時間とともに強烈な刺激が口中に広がる。口中の菊菜を吐き出し、洗面所で口をゆすぐが口いっぱいに広がった匂いはと刺激は取れない。口をゆすぐと口中で?み砕かれた菊菜が洗面器に広がるが、ヤツの残骸は認識できない。かれこれ５分ぐらい口をゆすぐと匂いと刺激は薄れた。
はじめは半信半疑だった妻も私が吐き出した菊菜から放出されるカメジル臭が漂ってくると陳謝するだけでした。
「一所懸命みたんだけどねぇ。」でも居たんだからしようがない。
妻が悪いわけでもないが、これは小料理屋とかでやったらその店はつぶれるだろうな。
口をゆすいでも記憶には残っているので、強烈なキムチで記憶を消すことにした。これは成功。

カメムシのこの匂いは「カメジル」と言う。触ると屁のように放出する。洗濯物に留まることもあるので下着が悲劇になることもあるようだ。ま、気づいたらもう一度洗うしかないですね。

ところがこのカメムシが水面に落ちると魚の餌になるようで、カメムシのフライもあります。ルアーだと亀主が有名。

最近は異常発生とも聞きますがどうなんでしょうかね。
ちなみにセミの仲間でクチバシで樹液とかを吸っているようですな。

映画のStarship Troopersに出てくるのもこの手のカメムシで、人の血と脳漿を吸ってましたな。