ならおうは穏やかに語る

Fly Fishingを中心に難しい話からヨタ話まで支離滅裂な雑文。
(09/08/23カウンターを付けました。)

F1の音

2011-10-10 16:16:39 | クルマ
以前、ピットレーンから出てくるF1マシンの雄叫び(排気音)を間近で効いて怪獣使いと感じた。今回はTVでは判らない少し技術的な音について。

トラクション・コントロール・システム。
数年前からF1では電子制御が進み、駆動力を電子制御するようになった。
恩恵は一般自動車にももたらされている。
駆動力制御。特にスタートが問題。トルクコンバーターのオートマのFFではかなり判りにくいがマニュアル車の発進時の半クラの使い方と同じ。
ゆっくり半クラを使って発進すればレースでは出し抜かれる。
エンジンを高回転にしてクラッチをドカンと繋いでタイヤをクラッチ代わりに、ホイールスピンさせながら(白煙をあげて)劇画的に発進するってのが一般的で、エンジンが後ろにあればリア荷重が高いのでホイールスピンしにくくなる。
とはいえ、ホイールスピンしたとたんに駆動力はロスして前へ進まなくなるのでアクセルを微妙に戻してとなるが、戻しすぎるとエンジンストール。
で、このアクセルを微妙に制御するのがトラクション・コントロール・システム(トラコン)。
これはスタート時にうまく使うことで白煙をあげることもなくホイールスピンでリアのグリップを失って隣のマシンに突っ込んで行くってのも大きく減った。
このシステムはコーナーの立ち上がりでも有効である。
加速するわけだから、アクセルを全開にしたい。でも強力なエンジンを積んでいるからアクセルを全開にするとグリップ限界を超えてしまう。
パワースライドという人もいるが、タイヤのグリップを超えて縦の駆動を与えてもタイムは上がらない。
そこで、トラコンがアクセルの開き度合いではなくミスファイヤで駆動力を一旦落とさせると良い感じで最高の駆動力を得ながら加速できる。
この時の音がブブブブブとか高頻度制御だとブーっと変な音がします。
F1ではこんな制御させたら単に反射神経を問うだけでアクセルワークはエンジニアのプログラムってことになるので廃止。
あとはレブリミッタで同じ様なことはやる。エンジンブレーキでバラバラバタという音がしたものだ。

ブロゥン・ディフューザ
ダウンフォースを得る方法について。
シャーシの下側を抜ける空気がシャーシの上側よりも速ければシャーシと路面の間の気圧が下がり、シャーシは下方向への力、ダウンフォースを得る。
古くはJPSロータスのウィングカー。しかし、空気が抜けたら一気にダウンフォースが無くなって危険になるということでフラットボトム規定になる。
あるとき、リアのシャーシ下側をラッパの様に拡げることでシャーシ下面の空気を効率よく抜く「ディフューザ」が開発された。クルマもハイノーズになって色々な空気の流れを利用する様になった。
ディフューザ内部に排ガスをぶち込むと排ガスの速度は車速よりも速いのでディフューザの効果は増す。しかし、コーナーではアクセルを閉じるのでディフューザの効果は限定されていた。

ここで、アクセルを閉じた状態でも適度に燃焼ガスをディフーザに送り込むことが出来ればコーナリングの最中にもダウンフォースを得ることが出来る。
しかし、アクセルを開くと・・・。
そこで、トラクションに影響を与えない程度に排気ガスを提供(アクセルを少し開いて点火する)。トラクションコントロールではないが、ミスファイアで過剰なトラクションを与えない。この音が以前のトラコンを想起させるようなブブブとかブーである。

TVではなかなかこれがわからない。
元々のスロットルオフ時のバラバラという音と思い込んでいたのもあるが、ナマで効くと全然音が違います。

是非、ナマでレースを見ましょう。






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