ならおうは穏やかに語る

Fly Fishingを中心に難しい話からヨタ話まで支離滅裂な雑文。
(09/08/23カウンターを付けました。)

ドライバーズカー

2013-01-03 10:17:31 | クルマ
大まかに2t未満で200psを超える車は、ドライバーが運転を楽しむ車だ。
最近のエコ重視のクルマとは違って本能に忠実に従ったクルマだ。

車重は小さいほどよい。馬力は大きいほどよい。究極はF1になる。レギュレーションで最低重量が決められているが、凡そ800馬力に640kg(regulation 2012)である。ここまで性能を突き詰めると一般人には扱えない。

さて、ドライバーズカーの楽しみは何か。大きく下の三つに分けられるだろう。
A) 高速走行
B) 山間部走行
C) 優れた加減速

この三つをバランスよく満たす車がドライバーズカーとなる。
A)の高速走行を満たすだけならば、巨大な馬力のエンジン(ロケットでもジェットでもいい)を搭載し、ボディは前投影面積を小さく、空気抵抗を抑制する形状にすれば良い。本当の直線番長が出来上がる。重量は大きな影響ではないが、ニュートンの運動の第二法則出力Fが重量mと加速度aの積F=ma (ma=Fが正しい)に従うので、重いと加速できない。また、あまり強烈な加速は心地よさを超えてしまうことも指摘できる。強烈な加速は無くても新幹線の様にいつの間にか時速300km/hの世界に入る事は可能だ。この状態を楽しめるかどうかというと若干疑問がある。
クルマの構造で考えると直進安定性を重視するからロングホイールベースとなり、FRやMRよりもFFまたはAWDが望ましい。
できればフロントサスペンションのキャスター角は大きい程良い。

B)の山間部走行をハンドリング性能としてもよい。軽自動車やリッターカー等のコンパクトカーでも下り・ダウンヒルならパワーではなく扱いやすさが重視されるため結構楽しめる。漫画でもそこで「腕」の見せ所とすることが多い。コーナリング性能が優れているが非力なクルマを、他よりも操縦能力に長ける者が操る事で大パワー車を打ちのめすってのは面白い。
BNR32(280ps 36kgfm)とFD3S(280ps 32kgfm)ではブレーキやタイヤのたれで、FD3Sが・・・てのもあるが、逆に雨が降ればどうしようもない。さらに悪条件になればインプやランエボの方が良かったりする。
とはいえ山間部を楽しむなら、軽いことが必須である。これは軽い程遠心力Fが小さくなるからだ(F=mv2/R)。コーナリング速度を上げることが出来る。あとはハンドリングを良くする為にはワイドトレッドでショートホイールベースとなる。
FRやMR、特にMRが重心にエンジンを持ってくるので操縦安定性はよくなる。サスペンションのキャスター角等はここでは割愛しておこう。

C)の優れた加減速は軽量化に尽きる。軽い程いい。
殆どB)の項目と重なるが、ダウンヒルでは加速性能を余り要求しない。だからダウンヒルスペシャルではエンジンパワーをそれほど重視しない。でも、上りも楽しみたいとなるとパワーが必要だ。さらに直線があるとエンジンパワーが無い車はそこで悲しい思いをする。そう言う事を避けるためにも軽量だが、高出力が必要となる。

こういう3点を満たす車は基本的にヨーロッパのセダンを中心にスポーツカーが周囲を固めている構図だ。そこに国内のスポーツセダンも参加している。いずれも冒頭に述べた様に本能に従ったクルマだ。どんな本能か。それはより速く。である。より強く、より優れていること、これは生命維持、進化の歴史がそうさせている。理性的な穏やかな生き方、考え方とは対極にある。本能に忠実という生き方は欲望に忠実といえる。最近は「エコでないと反社会的」という烙印を押されそうなので、燃費がよくなったとか、ハイブリッドシステム搭載とかで欲望を隠している。

本能に忠実な人向けのドライバーズカーは存在し、一定の範囲で売れる。

そういうクルマを所有する人は必ずしも前方車両を煽りまくって「そこのけ、そこのけ!」とは限らない。そういう行動に伴うリスクは回避したい。煽ったクルマがビビって加速し、ステア操作のミスでスピンなんかすると巻き添えを食らう。ならば車線変更で道を譲ってもらうのを待つ方が良い。
実際、高速道路でもそういう運転をする人を良く見る。
あぁ300馬力超えてる車だ。なんでゆっくり?前にコンパクトカーか。じゃ、コンパクトカーが追い越し車線を譲る迄待ちましょう。

という感じでたまに100psのクルマの後ろに1000ps程度のクルマが数珠つなぎになって100km/h弱で走っていることもある。
ま、そこに威勢のいいセルシオなんかが参入すると煽りまくって行くのだが。

それは置いといて、必死になって走行車線へ戻るタイミングを測っている小さいクルマの後ろで、追い越し車線を巡航しているドライバーズカーを見る事もある。まるで見守っている様な感じ。ところが、そのドライバーズカーの後ろに威勢の良い小出力のクルマがやってきて煽っている図もよく見かける。面白いのは見守りが終わったらドライバーズカーは、煽ってきた威勢の良いクルマを一気に引き離そうとする事だ。当然速度違反だが、おそらくドライバーズカーを所有しているという自負と誇りがそういう行動を誘起しているのだろう。「○○とはちがうのだ」という概念は重要だろうね。














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2 コメント

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早い軽 (ふりーすとん)
2013-01-04 15:19:25
あけましておめでとうございます。
和歌山の国道でやたら早い軽に煽られることがあります。
度胸のいるコーナーはしかなないとして、登りでも振り切れない
ので驚きます。
ターボとか軽の性能も上がっているんですかね?
返信する
軽も速いです (ならおう)
2013-01-04 20:46:25
結論は軽のターボは1.5L/NAを煽る加速性能を持っています。
以下に数値データで解説します。

1) 軽のターボ車は0.8(t)程度の車重でトルクは11(kgfm/4000rpm)弱です。
2) 1.5L/NA車は1.2(t)程度の車重でトルクは15(kgfm/4000rpm)強です。

加速はトルクと車重の比(Torque to Weight Ratio)で比較できます(大きい程優れた加速性能を持ちます(※日本は逆数で表す事が多いです))。

人間一人70kgとガソリン40L(≒30kg)で100kgを足して計算すると大きな差はありませんが、軽のターボ車が1.5L/NA車を上回ります。

3) 軽のターボ車は11÷0.9=12.2(kgfm/t)
4) 1.5L/NA車は15÷1.3=11.5(kgfm/t)

一般にNAはトルクが回転数と比例する(それが心地よいのですが)ので、低回転ではトルクが細く、パワーバンドに載っていないと加速はイマイチです。
ターボは2000rpm程度からブーストをかけた太いパワーバンドを持たすことができます。よって2500から4000rpm弱のトルクは軽のターボが1.5L/NAを凌いでいると予想され、加速性能を上回ることが想像されます。
さらに軽ターボ車のギアは1.5L/NA車よりもローギアーの加速重視設定になっています。

以上から軽のターボは1.5L/NAを煽る加速性能を持っていることが判ります。

ただし、ローギアーであること、最大出力が64psであることから理論上の最高速は1.5L/NAに叶いません。

また、軽いのでコーナー手前の減速区間が短い事とコーナリング速度を高くできます。
さらに履いているタイヤ幅を見ると車重に比べると太いタイヤを履いている様ですので、その分、コーナリング速度は高くなります。
軽のターボ車:165mm
1.5L/NA:185mm
これもコーナーの脱出速度を上げることなりますので、コーナー毎に車間距離は縮みますね。
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