「ダム計画は100年分の堆砂容量を見込んでおり、少なくとも建設後100年はダムが使えることになっています。しかし、想定よりはるかに早く堆砂が進むダムが少なくありません。堆砂容量を超えたダムは、貯まり続ける土砂によって利水容量、治水容量を食われ、ダムの機能を果たすことができなくなります。また、流入する土砂は、川の流れが緩やかになるダム湖の上流側から貯まっていきますので、ダム湖の上流では氾濫が起きる危険性が生じます。ダムに貯まった土砂を浚渫することにより、ダムの寿命を多少先延ばしすることは可能ですが、浚渫費用、浚渫土砂の捨て場が必要となり、ダムの維持管理費が嵩みます。
堆砂の進む速度は流域の地理的な特性によって大きく異なります。火山性の脆い地質や急峻な地形に富んだわが国では、大量の土砂を運ぶ川が少なくありませんが、堆砂容量を決定するダム計画策定時には、ダムの効果を強調するために堆砂の予測は甘く見積もられがちです。
第二次大戦後、大量に建設されたダムが老朽化し、堆砂が進行していく中、ダムの維持管理費が河川行政にとって大きな負担となっていくと考えられます。(中略)
堆砂量が計画堆砂容量を超えているダムの中には、昭和時代に建設された発電専用ダムや農業用ため池などの小規模ダムと共に、巨大ダムも含まれています。
首都圏では相模ダム(1947年、神奈川県)が浚渫作業を行っているものの、総貯水容量の三分の一近くが土砂で埋まっています。
同じく相模川水系の宮ヶ瀬ダムは、まだ完成から17年しかたっていませんが、100年間で溜めることになっている堆砂容量の三分の一が埋まってしまいました。国土交通省関東地方整備局が事業主体となった宮ケ瀬ダムの事業費は、わが国のダム事業費の中で二番目、八ッ場ダムに次ぐ高額なダムでした。
利根川水系のダムとして八ッ場ダムと同時期に計画された下久保ダム(1968年)でも浚渫作業が行われています。堆砂容量1,000万立方メートルに対して、平成28年度の堆砂量は937万立方メートル。想定のほぼ倍のスピードで堆砂が進んでいることがわかります。
八ッ場ダム計画とセットで半世紀前にダム予定地上流につくられた品木ダム(1965年)は、吾妻川の中和事業によって生じる中和生成物を貯める、という特異な目的をもつダムです。国土交通省関東地方整備局は年間3億円をかけて浚渫作業を行っていますが、平成28年度の堆砂量は総貯水容量の85%以上に達しています。
全国の巨大ダムでは、天竜川の佐久間ダム(1956年)は堆砂容量の倍近く、那賀川の長安口ダム(1956年)は三倍近くの土砂が貯まっています。庄川の御母衣ダム(1961年)、吉野川の早明浦ダム(1975年)も堆砂容量を超えた堆砂量となっています。
球磨川では流域住民の運動によって荒瀬ダムが撤去されましたが、まだ残されている瀬戸石ダム(1958年)が河川環境の改善の障害となっているとして、撤去運動が粘り強く続けられています」(2018年9月11日付け八ッ場あしたの会「全国のダム堆砂データの最新情報(平成28年度)を国交省が情報開示」より)
日本のダムはいずれも山間の急流を堰き止めて作る事情もあり流れ込んだ堆砂が早く想定容量を超えるようです。自然エネルギーの水力発電はこの堆砂を取り除く浚渫作業費用が水力発電コストを引き上げる要因になるようです。でも原発のように特有コストを関係のない託送料金に忍び込ませるような事はないと思います。
中国の三峡ダムが長期降雨で危なくなりそうと言われていますが、ダムと言うのは想定の100年間維持するには色々リスクがあるようです。特にここ数年の気象変動が影響しそうです。
HIT(4.2kW)の発電データ
7月21日(火)曇り
太陽光発電量 10.8kWh
EF発電量(おまかせ) 4.4kWh
W発電量 15.2kWh
売電量 5.4kWh
買電量 3.8kWh
W発電自給率 116.0%
W発電設備利用率 12.9%
日照時間 2.5h
連系以来 3995日(10年343日)