![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/63/5c891fe70b4a8414b10cd30cacc152a1.jpg)
「第9」を聴くのは師走。
そんな固定観念を打破すべく、ベートーヴェンの交響曲第9番を聴いた。
なんて大上段に振りかぶったわけでもないのですが、初夏の「第9」もまた良かろうかと。
で。
結論を書いてしまうと、とんでもない演奏を聴いてしまったのです。
指揮は、ヘルマン・シェルヘン。
この人、ぼくはこの「第9」しか聴いたことがないので、あまり有名な指揮者ぢゃないのかもしれませんね。
何がとんでもないかというと、速さです。
冒頭から少し速いかなと思ったのですが、第2、第3楽章の速いこと!
極め付けは第4楽章の序盤、プレストの部分。
これ聴いたら、「第9」を聴いたことのある人なら腰を抜かしますよ。って、ぼくは抜かしませんでしたけど。
よくオケがついてこられたものだと、オケに拍手!
総演奏時間は、なんと62分27秒!
CDが世に出された時に収録可能時間を75分に設定したのは、「第9」を録音出来るようにするためだったと聞いたことがあります。
シェルヘンのこの演奏だと、「第9」の後に12分30秒の曲を収録することが出来てしまうのです。あり得ない…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/9a/785078a7df420d5b257b5eade581149b.jpg?1591018844)
参考までに、他の指揮者の演奏時間を調べてみました。
速い順に紹介します。
第2位
クラウディオ・アバド:65分58秒
これもかなりの快速ですね!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/bf/476452fb9289567776f5f090f86ffa37.jpg?1591018977)
第3位はなんと、このお方。
ウィレム・メンゲルベルク:67分55秒
この演奏は1940年の録音なので、もう80年前なんですね。
これを聴くと、最後の最後でひっくり返りそうになること必定です(笑)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/a5/d335eb01a2d382f4930be423c7b4bf24.jpg?1591018977)
第4位は、ぼくらと同世代?の指揮者。
サイモン・ラトル:69分56秒
この演奏は、すごくなまめかしい。
特に第3楽章はぞくぞくするほどエロチック(ぼくだけか?)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/2b/7db8f614817ad65ab7aa1fe1436a4269.jpg?1591018978)
第5位はぼくの好きな指揮者。
レナード・バーンスタイン:70分41秒
これはウィーンフィルを振ったスタジオ録音のほう。
ベルリンの壁崩壊の記念コンサートのライヴ盤には時間の表記がありませんでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/2b/62bbe786ccfb6c2ae53b1e4e2a653a9f.jpg?1591018977)
第6位は端正な演奏をする指揮者。
カール・ベーム:72分41秒
安心して身をゆだねられます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/8c/d49712d9fc781df59e7d5aba1743b0f4.jpg?1591018980)
第7位
ゲオルク・ショルティ:74分12秒
ショルティに鍛え上げられたシカゴ響の一糸乱れぬ演奏は素晴らしい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/12/1fefb15704142094cf86b87ce35915d2.jpg?1591018980)
第8位、トリをとるのは、このお方!
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー:74分30秒
やっとCDの収録時間ぎりぎりになりました。
この演奏は世紀の名演と誉れ高い、1951年バイロイト祝祭演奏会のライヴ盤。
何が凄いと云って、第3楽章の深遠な響き(微妙なテンポ・ルバート)がたまりません。
そしてフィナーレのコーダでのアッチェレランドたるや!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/86/04f612ef1fa747fca5125b2cc8736950.jpg?1591018981)
こうしてみると、同じ曲なのに、演奏時間が12分も違うのですね!
フルトヴェングラーの演奏を100とすると、シェルヘンの演奏は83.8になります。
なんと16.2%引き!(笑)
気になるのは、あの帝王カラヤンの演奏時間ですが、ぼくは彼の演奏スタイルが好きではないのでCDを持っていません。
調べるためにわざわざ買うつもりは毛頭ありませんので、どなたか興味のある方はご教示くださいまし。
<追記>
さっそく、 mirapapaさん がご教示くださいました。
ありがとうございました!
それによると、
ヘルベルト・フォン・カラヤン:65分52秒
だそうです。
カラヤンはスタイリッシュで速いだろうとは思っていましたが、ぼくの予想を上回る速さでした。
そして、もっと驚いたのが・・・
岩城宏之:64分23秒!
シェルヘンと2分しか違わない。
あの汗を飛び散らして振る指揮姿が髣髴とされますね。
子供の頃「第九」を聞いて感動し、それ以降は1年に1回しか聞かないということにしております。
個人的には、高校の頃に合唱部にいたので、市民合唱団に入りたいとも思っておりますが、なかなか契いません。
良い記事をありがとうございました。
ちなみに、岩城宏之は64分23秒でした。
印象としては70分超だと思っていたので、意外に速いなぁと思いました。
貴ブログにはいつもお世話になっております。
「第9」は聴くのにもエネルギーが要るので、年に1回程度でいいですよね。
ぼくも実演は、ここ10年以上聴いていません。
合唱部におられた由、羨ましいです。
ぼくも第9が歌えたら、なんて思ったこともありますが・・・
諦めました(笑)
ありがとうございます!
カラヤンはスタイリッシュで速いだろうとは思っていましたが65分52秒とは・・・
そしてまた岩城宏之の64分23秒には吃驚です。
そうなると、2位が岩城宏之、3位がカラヤンとなって、以下それぞれ繰り下げでフルトヴェングラーが10位になりました。
メサイヤは1度だけ実演を聴いたことがあります。
ハレルヤが荘厳でした!
あちこちでコンサートを楽しみにしていました。
でも、
当たり前ですけど、中止。。。
第九はいいですね〜。
私は速いのが好きです。
なんだか年末の雰囲気になっていますが、
バッハのロ短調ミサ曲でも。
コロナのせいで残念でした・・・
ロ短調ミサは残念ながら聴いたことがありません。
年末まで待てないので、せっかくだからプッチーニのオペラでも観劇して暑気払いしたいですね♪
皆さん、第九番交響曲が大好きで、お詳しいです。
日本人の第九番交響曲好きがよくわかります。また、名曲談義が高尚です。
ちなみに、私はへそ曲がりなので第7番が好きです。若々しいからです。
このCDの規格を決める際に、国際規格を協議しながら、当時ソニーの会長だった大賀さんが、ベートーヴェンの第9が収まる長さにと主張されました。
この時の指揮者を忘れました。実はそのソニーの記念盤の第9のCD(非売品)をいただいたのですが、なんと昔、泥棒に入られ、CD50枚ほど、盗まれた中に入っていました。
梅田スカイビル編では、かなりすごい人生をお過ごしと感じました。
特に最終楽章!
あれを聴くと元気になれますよね。
CDを盗まれたとのこと、残念でしたね。
それにしてもCDを盗むとは!
花盗人は風流ですが、CD盗人は風流の限度を超えてますね。