仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

「亡国のイージス」をみた

2005-08-15 17:01:16 | ドラマ、映画
8月15日、敗戰記念日。
終戰の詔敕をもつて日本は戰爭を終はらせたといふ意味に於ては確かに「終戰記念日」なのだらう。
しかし、あの戰爭に敗れたといふ事實を重く見て、あへて「敗戰記念日」と云ひたい。

この日にふさはしい映畫を見て來た。
「亡國のイージス」である。
原作は福井晴敏の同名の小説で、以前に讀んで感銘を受けた。
「國」とは何か、「國を守る」といふことはどういふことかを考へさせられた。
あのスケール豐かな物語が果して映像化できるのか、少しばかりの不安を抱きつつ映畫を見た。

映像化に關しては、實にリアルで、不安は杞憂であつた。
海自、空自が全面協力したらしく、撮影にはイージス艦の實物を使用することが出來たらしい。
大畫面と迫力ある音響效果のお蔭で、臨場感溢れる映像を體驗することが出來た。

あへて原作イメージと異なるところを擧げるとすれば、仙石伍長のキャスティング。
原作のイメージではがつちりとした體格でタフな男なのだが、眞田廣之では小柄で俊敏すぎる。

素晴らしかつたのは、ヨンファ役の中井貴一。
私はこの役者があまり好きになれないのだが、そんな私の嗜好を吹き飛ばす好演であつた。
カッパやタヌキのお友達としてカードのコマーシャルをするだけが取り柄の役者ではない。

それにしても、ふと氣づいたら、ずゐぶんと久しぶりの映畫鑑賞だ。
最後に見たのが、嫁はんと見た不倫ものの映畫「失樂園」。
嫁はんの調べによると1997年の映畫ださうだから、もう8年も前になる。
せつかくの大畫面も不倫のベッドシーンでは・・・
やはり、映畫は迫力のあるものがよい。

次は12月の「大和」かな?

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2 コメント

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失楽園! (ひろみん@仙台)
2005-09-23 09:39:21
そういえば 私も見ました、映画館で。。。

今、日経新聞では またまた渡辺先生の「愛の流刑地」が ちまたで人気らしいです。

50代と30代の不倫。。。

私も 時々 読んでいますが、日経新聞に 賛否両論の意見が届いてるそうで、、、



「亡国のイージス」で印象的なのは

総理大臣が 「ほら、ワシントンには連絡したのか」と発言したところです。

日本国は アメリカの支配下なのでせうか?
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アメリカの保護下 (仙丈)
2005-09-23 11:13:57
ひろみん@仙臺さん



日經新聞は「不倫モノ」がお好きなやうですね(笑)

讀者層がそれを受け容れやすい年代なのかもしれません。



日本國は現行憲法下では戰爭を抛棄してゐます。

それを日米安全保障條約で補つてゐるわけです。

つまり、日本が他國に侵略された場合、アメリカが日本を守つてくれるといふわけです。

アメリカとしては、あんな憲法を日本に押付けたツケが廻つて來てゐるわけで、いまとなつては、しかたがないわけですね~

ま、さういふ意味では日本はアメリカの保護下にあるといへるでせう。

まるで未成年者が親權者に口喧しいことを云はれても耐へるしかないのと同じ状況ですね(笑)



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