仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

「上と外」 (全6卷) 恩田陸

2005-08-15 17:27:37 | 讀書録(ミステリ)
お薦め度:☆☆☆☆


子供の頃、ジュール・ベルヌが好きだつた。
なかでも「十五少年漂流記」には熱中した。
子供達が自分達の力で困難に立ち向かひ、それによつて成長してゆく。
そんな物語に自らを重ねて、あたかも自分がその場で行動してゐるかのやうな氣持ちになつたものだ。

この作品もそんな感覺で讀みすすめてしまふ。
中央アメリカで過ごす夏休みが、軍事クーデターに卷きこまれることで、とんでもない夏休みになる。
兩親の離婚の所爲で、離れ離れに暮してゐる兄と妹が、樣々な(奇想天外な?)危險を乘り越えてゆく姿に、年がひもなく感動した。

ただ、恩田陸は高校生を描くのがうまいのだが、中學生や小學生が高校生のやうに感じられてしまふ。
こんなにしつかりした中學生や小學生がゐてたまるものか。

あまりの面白さに、全6卷を4日間で讀んでしまつた。


2005年7月28日讀了





上と外〈1〉素晴らしき休日

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上と外〈2〉緑の底

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上と外〈3〉神々と死者の迷宮(上)

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上と外〈4〉神々と死者の迷宮(下)

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上と外〈5〉楔が抜ける時

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上と外〈6〉みんなの国

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