天空への回廊光文社このアイテムの詳細を見る |
書籍名 天空への囘廊 カテゴリー ベストセラー
著者名 笹本稜平 発行年(西暦) 2004
出版者 光文社文庫 値段 800-1000円
感想 ☆☆☆☆☆
これは凄い小説だ。
舞臺は世界最高峰、エベレスト。
この頂上附近に人工衞星が墜落する。
ちやうどその時にチベット側の北稜から嚴冬期・單獨・無酸素での登頂を果した主人公は、
この人工衞星の囘收に協力することになるのだが・・・
この作品は、一流の山岳小説である。
嚴冬期のエベレストがどのやうな世界であるのかが見事に描きだされてゐる。
それだけでもたいしたものなのに、そこに國際謀略小説の要素が加はる。
主人公の強靱な氣力と體力には驚かされるが、しかし彼は決してスーパーマンではない。
とんでもない事件に捲き込まれてしまつたことを呪ひながらも、
自分にしか出來ないことをやり遂げやうとする使命感には心を打たれてしまふ。
はらはらしながら讀み進めて、最後にはひたすら祈りの氣持ちを抱かされる。
これがどういふことかは讀んでみればわかるだらう。
實に見事な冒險小説である。
2004年8月7日讀了
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