1月8日読了
『地の日 天の海』(上下) 内田康夫
2008年刊行
初読。
内田康夫といえば浅見光彦シリーズをはじめとする推理小説。このような歴史小説を書いているとは知らなかった。
若き日の天海(随風)の物語を読むのは初めてのこと。
元号で云うと、天文、弘治、永禄、元亀、天正の時代で、信玄、謙信、信長、秀吉、家康の活躍した時代。
随風(天海)は、三島の『豊饒の海』における本多繁邦のような存在で、彼の視点から戦国の世が終わりゆくのが描かれている。
改めて気づかされたこと。
本能寺の変のとき、将軍は依然として義昭のままであったと云うこと。鞆の浦に流された?というのは知っていたが、言われてみれば征夷大将軍の座から降りたという話は聞いたことがない。
もう一つ、近衛前久と信長の関係。
近衛前久が信長と親しかったらしいことは大和和紀『イシュタルの娘』で知っていたが、本能寺の変の頃にはどうやら反信長的な立場にあったらしいこと。まあ当然と云えば当然なのだけど。
久しぶりにこの時代の空気が楽しめた。
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