仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

「ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座」 井沢元彦

2006-12-31 08:00:37 | 讀書録(一般)
「ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座」 井沢元彦
お薦め度:☆☆☆☆ /
2006年12月6日読了


おそらく日本人にとつて「宗教」ほど理解しづらいものは少ないのではないか。
結婚式は「神道」や「キリスト教」で、葬式は「佛教」で執り行ひ、神社で初詣でをし、クリスマスはなにはともあれお祝ひする。
つまり、日本人の心の中ではいまでも八百萬の神さまが生きてゐて、その中にエホバもキリストも釋迦もゐるといふわけだ。

しかし、世界の大多數の人たちは唯一の神を信じてゐる。
つまり、「一神教」だ。
そして、その唯一の神を信じてゐる人たちが、それぞれにお互ひの正義觀を持ち、時に殺し合ふのだ。
キリスト教もイスラム教ももとを辿ればユダヤ教から分かれて出來た、いはば分家のやうなもの。
信じてゐる神はどうやら同じ神らしい。
イスラム教ではイエスをキリストとしてではないものの、預言者のひとりとして扱つてゐるのださうな。
ただし、最後に現はれたもつとも優秀な預言者がマホメッド(ムハンマド)だといふことらしい。

これは、とても不思議な氣がする。
同じ神を信じるユダヤ教・キリスト教・イスラム教、これらの信者が何故殺し合ふのか。
相いれない部分はいつたいどこにあるのか。
この本はかうした素朴な疑問にある程度應へてくれる。

「宗教」についてポイントを整理して解説してくれてゐるので、とてもわかりやすい。
特にイスラム教について。
いままでユダヤ教から派生して出來たことは知つてゐたが、その中でキリスト教やユダヤ教をどのやうに見てゐるのかまでは知らなかつた。
それにしても、コーランの日本語譯はなんとかならないものか。
あんなに格調低い日本語では、日本人をイスラム教徒にするわけにはいかないだらうなあ。


ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座

徳間書店

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