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お薦め度:☆☆☆☆☆
「そんなバカなことあるわけないぢやん」
小説を讀んでさういふことを思ふやうであれば、この作品を讀む資格はない。
リアルであることが小説の價値ではない。
むしろ、リアルでないことを説得力を持つて表現するところに小説の價値がある。
この作品はまさにそれを實現してゐる。
あり得ないことを描いてゐるにもかかはらず、讀者には眞實が傳はつてくる。
これこそが小説だ。
主人公は妻とともに息子の最期に立合つてゐる。
その最期に、初めて妻に息子との思ひでを語るのだ。
それは、自分がまだ妻と知合ふ前のこと。
息子に會つたことがあるといふのだ。
出會つたのは淺草の「花やしき」・・・
2時間以上語り續けて、たうとうその時がきた。
主人公は自分に殘された重要な仕事に氣づくのである。
そして彼は息子に向つて聲をかぎりに叫んだ。
「トキオっ!花やしきで待つてるぞ」
不覺にも涙が流れて止まらなかつた。
かういふ小説があるといふことは倖せなことだ。
2005年10月11日讀了
こちらこそ!
ご丁寧にどうもありがたうございました。
今年もよろしくお願いします。
「時生」私が始めて手に取った東野作品です。
読み終わってから眼が滲んでしまいました。
この「時生」で東野ワールドに引き込まれてしまいました。
それと、お知らせですが、ブログを移転しました。タイトルも変更しました。リンク集を一新して、リンクに加えさせていただきました。
これからもよろしくお願いいたします。
こちらこそ、遲くなりましたが、あけましておめでたうございます!
「時生」、良いですね~
涙もろい自分ですが、いつそ泣けて氣持ち良いと思ひました。
新ブログに移轉されたのですね~
今年もヨロシクです!
TBアリガトウございました
こちらからも貼り付けさせていただきました
あたしは将来子供が生まれたら、時生と名づけたい・・・と企んでおります。
コメント、どうもありがたう。
子供に「時生」、いいですね~
でも病氣にならないやうにしないとね!
ちなみに「亡國のイージス」、いいですよ。
原作讀んで感動し、映畫も見に行きました。
映畫では、中井貴一の存在感が凄かつたです。
河童や狸と遊んでゐるをぢさんとのギャップが・・・(笑)
時生は東野さんらしい、優しくて不思議な雰囲気の
ストーリーでしたよね。
私もとても好きだと思いました。(*^_^*)
以前に「ネバーランド」に關するコメントを頂き、お讀みになられた感想を拜見したついでに、最近讀んだ「夜のピクニック」のTBをし、さらに序でにいろいろTBしてしまひました。
ついでばかりで申し譯ありませぬ・・・
「時生」は父と息子との關係について考へさせられました。
ああいふ息子がゐたら父親冥利につきますね~
私は東京・お茶の水の某豫備校で浪人生活を送つてゐました。
いまから思ふと懷かしい日々です。
ですので、この年代には思ひ入れがあつたりします。
巷には「いとしのエリー」が流れてゐました。
サザンも30周年を迎へたのですねえ。