仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

「屋上物語」 北森鴻

2006-05-14 18:21:55 | 讀書録(ミステリ)
「屋上物語」 北森鴻

お薦め度:☆☆☆+α
2006年5月13日読了


8篇からなる連作短篇集。

とあるデパートの屋上が舞臺。
ここには、安くて美味いことで有名な「うどんスタンド」がある。
このうどんスタンドの主が「さくら婆ァ」で、この作品の主人公だ。

「さくら婆ァ」が探偵役となつて、屋上で起こる事件を解決してゆくのだが、
脇役がまた面白い。
第1篇から登場する、興行師の杜田と、第4篇から登場する男子高校生のタク。
彼らがさくら婆ァに協力して謎を解き明かしてゆくのだ。

第7篇で、うどんスタンドが閉鎖されてしまひ、このデパートの「屋上物語」は終はる。
しかし、最後の物語は、高校生タクが高校を卒業して浪人中に、盛岡のデパートの屋上で遭遇した事件だ。
さくら婆ァの影響を受けたタクはここで見事に事件を解決してみせる。
タクも成長したものだ。

輕いタッチで書かれた短篇集なので、とても讀みやすい。
それでゐて「手拔き」を感じさせないのはさすがだ。


2006年5月13日讀了


屋上物語

祥伝社

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