仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

浅田次郎ドラマスペシャル『琥珀』

2020-05-13 00:06:00 | ドラマ、映画
 
浅田次郎原作ということで録画しておきました。
浅田次郎の小説を読んで泣かされる、そんな体験ありませんか?
ぼくは、いつも用心しているのに泣かされてしまいます。

このドラマ、原作は読んでいません。
それだけに用心しながら観ました。


定年を4日後に控えた刑事、米田。
25年前の放火殺人事件の容疑者、荒井。
荒井のやっている喫茶店「琥珀」の常連客、幸子。

この3人の過去が明かされていき、ドラマは終盤へとなだれ込む。
細かい説明をするのは面倒なので、米田刑事の定年前日、喫茶店「琥珀」でのシーンを紹介するだけにしましょう。

まず、その前日に刃物を持った夫に殺されかけた幸子が過去を語る。
これも哀しい過去なんですが省略します。

次に荒井が過去を告白しようとするが、それを止める米田刑事。
「やめて下さい、荒井さん」
「やめろ。お願いだからやめて下さい」
「私は警察の人間です。それも今日一日のことなんです。今日までなんです」
「明日まで待って下さい。私にあなたを逮捕させないで下さい」

ここからが、いいシーンでした。
なので少し大きな文字で。


「もう無理なんです。

友達や惚れた女性にずっと嘘をつき続けるのが」

と言って告白する荒井。

「これで、やっと、ヨネちゃんとサッちゃんと友達になれますかね」


幸子

「ずっと友達ぢゃない、何云ってんの!」

米田

「このまま、3人で

このまま、ずっと3人で


荒井

「そんな虫のいい話はないですよ。

私が妻にしたことは許されないんですよ。

時効が無くなったって、そういうことでしょう」

と言って、米田刑事の前に両手を差し出す荒井。


米田

「手錠なんか、ありませんよ」


荒井

「ヨネちゃん」

と言って、電話を差し出す。

米田、駐在に電話をかける


パトカーが到着するまで、3人は並んでカウンターに。


幸子

「楽しかったねー、きのう」

米田

「楽しかったですねー」

それを聞きながら微笑む荒井。

そう、やはり、3人は友達になったのでした。


ラストシーン

帰りの列車

車窓に手錠を置く米田。


しみじみと心に染み入る大人のドラマでした。

3人とも形はそれぞれ違うけど連れ合いをなくしている。

それだけに身につまされる思いがしました。


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