「兵庫県立芸術文化センター」 に、 仲道郁代さん のピアノ・リサイタルを聽きに行つた。
演目は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ:第19番、第20番、第21番「ヴァルトシュタイン」、第29番「ハンマークラヴィーア」。
當初の豫定では、「ヴァルトシュタイン」ではなく27番のソナタだつたのだが、急遽變更された。
私としては、むしろラッキーな思ひであつた。
「兵庫県立芸術文化センター」 はこれまでにも何度か行つてゐるが、小ホールは今囘が初めて。
今年一緒に甲子園に附合つてくれた友人がチケットを用意してくれたのだが、前から5番目のど眞中の席。
音がダイレクトに聽けるといふのもさうだが、なにより仲道さんの横顏や鍵盤が見えるのが素晴らしい。
ソナチネの2曲は、ソナチネらしからぬ、良い意味での重たい演奏だつた。
ベートーヴェンの若い頃に書いた習作のやうな作品であるが、仲道さんの演奏はあたかも「熱情」に向ふかの如き眞劍な演奏で、聽き手のはうも氣が拔けなかつた。
なにより素晴らしかつたのが、第21番「ヴァルトシュタイン」のソナタ。
この曲はペダリングが難しいといふ評判の曲なので、ペダルに注目しつつ聽いてゐたのだが、まさにその通りで、仲道さんの演奏は何度も細かくペダルを踏み變へて、音の響きに細心の注意を拂つた演奏だつた。
しかも、それにも拘らず、演奏はベートーヴェンらしい迫力に滿ちたもので、スフォルツァンドが印象的だつた。
特に最終樂章(第2樂章)は靜と動が見事に調和した演奏で、レコードには收まりきらない音樂を聽かせて頂いた。
15分の休憩を挾んで、いよいよけふのメイン、「ハンマークラヴィーア」。
ピアノ音樂の頂點とも云へる難曲中の難曲だ。
拍手が鳴りやまないうちに、鍵盤に向つて一撃。
CDと同樣に、かなり速いテンポであつた。
1樂章の反覆部分はカット。
CDでは忠實に反覆してゐたので、一瞬、あれ?と思つた。
冗長になるのを避けたのか?
それとも、演奏會ではカットするのが慣例なのか?
正直云つて、最終樂章は感心できなかつた。
音を拾ふのに一生懸命といふ印象。
本來、旋律線が浮び上がる筈のところでも、他の音に埋沒してしまひ、歌が聞こえてこない。
「ハンマークラヴィーア」はさすがの仲道さんでも、まだ自家藥籠中のものには出來てゐないやうだつた。
演奏時間はおよそ39分ほど。
第1樂章での反覆を省略したのを考慮しても、かなり速い。
素人から勝手なことを云はせて貰ふと、最終樂章はもつとゆとりを持つて歌はせて欲しかつた。
アンコールはなんと5曲。
あの難曲「ハンマークラヴィーア」を彈いた後で、よくぞここまで彈いてくれたものだ。
仲道さんの觀客への思ひが傳はつてくるやうではないか。
仲道さん曰く、ピアノのエヴェレスト「ハンマークラヴィーア」で緊張したので發散できる曲を、といふことで、バラキレフのイスラメイ。
これだつて難曲の譽れ高い曲なんだけど・・・
續いて、ショパンのノクターン作品48の2。
さらに、ベートーヴェンの「月光」ソナタの第1樂章。
シューマンのクララ・ヴィークの主題による變奏曲。
最後は、いつものやうに、エルガー「愛の挨拶」。
ベートーヴェンの最後のピアノソナタ3曲がカプリングされたCDを賣つてゐたので購入。
サイン會でサインして頂いた。
思へば、私が仲道さんのサインを頂くのは20年ぶり。
それをお話したら、仲道さん、「あれがデビュー・リサイタルだつたんです。どうもありがたうございます」。
さらにCDについて、「これは素晴らしい曲なので是非聽いてくださいね」と仰る。
私は、「私も大好きな曲なんです。去年はチケットが手に入らなくて聽けなかつたのが殘念なんんです。是非またここで演奏して下さい」とお願ひしておいた。
仲道さんとお話出來たことで有頂天になつてしまひ、握手して頂くのを忘れてしまつたのが殘念!
この年になつても、相變はらず仲道さんのミーハーなファンである私であつた・・・
それにしても、この20年で私は白髮が増え、毛髮が減つたといふのに、仲道さんのお美しさはむしろ増すばかり。
人間、充實してゐる時には輝いて見えるといふが、これは本當のことだと實感させられた。
演目は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ:第19番、第20番、第21番「ヴァルトシュタイン」、第29番「ハンマークラヴィーア」。
當初の豫定では、「ヴァルトシュタイン」ではなく27番のソナタだつたのだが、急遽變更された。
私としては、むしろラッキーな思ひであつた。
「兵庫県立芸術文化センター」 はこれまでにも何度か行つてゐるが、小ホールは今囘が初めて。
今年一緒に甲子園に附合つてくれた友人がチケットを用意してくれたのだが、前から5番目のど眞中の席。
音がダイレクトに聽けるといふのもさうだが、なにより仲道さんの横顏や鍵盤が見えるのが素晴らしい。
ソナチネの2曲は、ソナチネらしからぬ、良い意味での重たい演奏だつた。
ベートーヴェンの若い頃に書いた習作のやうな作品であるが、仲道さんの演奏はあたかも「熱情」に向ふかの如き眞劍な演奏で、聽き手のはうも氣が拔けなかつた。
なにより素晴らしかつたのが、第21番「ヴァルトシュタイン」のソナタ。
この曲はペダリングが難しいといふ評判の曲なので、ペダルに注目しつつ聽いてゐたのだが、まさにその通りで、仲道さんの演奏は何度も細かくペダルを踏み變へて、音の響きに細心の注意を拂つた演奏だつた。
しかも、それにも拘らず、演奏はベートーヴェンらしい迫力に滿ちたもので、スフォルツァンドが印象的だつた。
特に最終樂章(第2樂章)は靜と動が見事に調和した演奏で、レコードには收まりきらない音樂を聽かせて頂いた。
15分の休憩を挾んで、いよいよけふのメイン、「ハンマークラヴィーア」。
ピアノ音樂の頂點とも云へる難曲中の難曲だ。
拍手が鳴りやまないうちに、鍵盤に向つて一撃。
CDと同樣に、かなり速いテンポであつた。
1樂章の反覆部分はカット。
CDでは忠實に反覆してゐたので、一瞬、あれ?と思つた。
冗長になるのを避けたのか?
それとも、演奏會ではカットするのが慣例なのか?
正直云つて、最終樂章は感心できなかつた。
音を拾ふのに一生懸命といふ印象。
本來、旋律線が浮び上がる筈のところでも、他の音に埋沒してしまひ、歌が聞こえてこない。
「ハンマークラヴィーア」はさすがの仲道さんでも、まだ自家藥籠中のものには出來てゐないやうだつた。
演奏時間はおよそ39分ほど。
第1樂章での反覆を省略したのを考慮しても、かなり速い。
素人から勝手なことを云はせて貰ふと、最終樂章はもつとゆとりを持つて歌はせて欲しかつた。
アンコールはなんと5曲。
あの難曲「ハンマークラヴィーア」を彈いた後で、よくぞここまで彈いてくれたものだ。
仲道さんの觀客への思ひが傳はつてくるやうではないか。
仲道さん曰く、ピアノのエヴェレスト「ハンマークラヴィーア」で緊張したので發散できる曲を、といふことで、バラキレフのイスラメイ。
これだつて難曲の譽れ高い曲なんだけど・・・
續いて、ショパンのノクターン作品48の2。
さらに、ベートーヴェンの「月光」ソナタの第1樂章。
シューマンのクララ・ヴィークの主題による變奏曲。
最後は、いつものやうに、エルガー「愛の挨拶」。
ベートーヴェンの最後のピアノソナタ3曲がカプリングされたCDを賣つてゐたので購入。
サイン會でサインして頂いた。
思へば、私が仲道さんのサインを頂くのは20年ぶり。
それをお話したら、仲道さん、「あれがデビュー・リサイタルだつたんです。どうもありがたうございます」。
さらにCDについて、「これは素晴らしい曲なので是非聽いてくださいね」と仰る。
私は、「私も大好きな曲なんです。去年はチケットが手に入らなくて聽けなかつたのが殘念なんんです。是非またここで演奏して下さい」とお願ひしておいた。
仲道さんとお話出來たことで有頂天になつてしまひ、握手して頂くのを忘れてしまつたのが殘念!
この年になつても、相變はらず仲道さんのミーハーなファンである私であつた・・・
それにしても、この20年で私は白髮が増え、毛髮が減つたといふのに、仲道さんのお美しさはむしろ増すばかり。
人間、充實してゐる時には輝いて見えるといふが、これは本當のことだと實感させられた。
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