仙丈亭日乘

あやしうこそ物狂ほしけれ

「猫島ハウスの騒動」 若竹七海

2007-03-24 11:25:39 | 讀書録(ミステリ)
「猫島ハウスの騒動」 若竹七海
お薦め度:☆☆☆ /
2007年3月1日讀了


2006年7月、光文社カッパノベルスから刊行された書き下ろしの長篇。

若竹作品でおなじみの架空の街「葉崎」。
その街のある「葉崎半島」の先に通稱「猫島」と呼ばれる島があり、その島には30人ほどの人間と100匹を超える猫が住んでゐる。
その島の民宿「猫島ハウス」の娘、杉浦響子がこの小説の主人公。

夏休みで民宿の手傳ひをしてゐた響子だつたが、響子の同級生・虎鐵がナイフを突立てられた猫の剥製を見つけて、奇妙な事件の幕が開いた。
その後、マリンバイクで海を飛ばしてゐた男が上から落ちて來た男と衝突する事件が起こり・・・

殺人事件の謎もさることながら、響子と虎鐵が口もきかなくなつた原因の謎はどうなつたのか。
修學旅行で何かがあつたらしいといふことだけはわかるのだが。
まあ、だいたい想像もつかうといふものだが、物語の最後まで讀んでも、その謎は明かされない。
ヤジウマ根性が滿たされない欲求不滿はあるものの、若竹七海はそんなことをあからさまにするほど野暮ぢやないといふことだ。

コージィ・ミステリゆゑ、讀んでゐて面白いのは確かなのだが、バタバタとした印象が殘つた。
もう少し、すつきりとした作品にも出來たのではないか。
そんな不遜な感想を持つた。



猫島ハウスの騒動

光文社

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