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著者名 :淺田次郎 発行年(西暦) :2004年
出版社 :講談社文庫 値段 :500-600円
お薦め度 : ☆☆☆☆
自衞隊を舞臺にした連作短篇集。
全9篇からなつてゐる。
作者の淺田次郎は若いころ自衞隊に所屬したことがあつたので、
その經驗を活かした作品なのだらう。
時代は1970年~1971年。
東大の安田講堂に代表される學生運動や、
三島由紀夫が市ヶ谷で自衞隊を前に檄を飛ばした後に切腹した、
ちやうどそんな頃の話である。
「脱柵者」では、三島事件について言及してゐる箇所もある。
三島の説いた「正論」になぜ自衞官達は耳を傾けなかつたか?
それは三島が「よそもの」だつたからだ、
といふ書き方がなされてゐる。
いづれも、いはば「男の世界」を描いてゐて、感銘を受けた。
「體育會」系の運動部の世界に通じるものを感じた。
特に私が好きなのは、
「バトル・ライン」、「脱柵者」、「越年歩哨」、「歩兵の本領」だ。
かういふ「男の世界」があつたつて良いではないか!
まさに「淺田次郎ワールド」である。
2004年4月24日讀了
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