【昔の手帳から】 ３月１９日 （80年：摩耶山）

【１９８０年】（浪人）

神戸 with H 。 摩耶山


第一志望に合格した翌日、京都から神戸に足を伸ばした。
Ｈに會へたらいいなと思つたのだ。
Ｈは東京藝大に合格できず、大阪の音大に行くことになつた。
彼女には申し譯ないが、これで二人とも關西にゐられると思ふと嬉しかつた。

彼女の家の電話番號をどこで調べたのか。
どこかの圖書館で電話帳を調べたやうな氣もするのだが、はつきりしない。
それとも電話番號案内で調べたのかな？

Ｈには國鐵の「神戸」驛から電話をした。
どこにゐるのかと聞かれ、神戸驛と應へたら、びつくりされた。
湊川神社のあたりで待ち合せた記憶があるのだが、いま思ふとどうも怪しい。
彼女も國鐵で來るのに、わざわざ驛から離れるのも不自然な氣がする。
もしかすると彼女が來るまでの間に、ひとりで散策したのかもしれない。

この日、Ｈは私を摩耶山に連れていつてくれた。
阪急の「西灘」驛（現「王子公園」驛）から兵庫縣立近代美術館（現「原田の森ギャラリー」）の脇を通つて、ひたすら登つた。
つい３日前に北八ヶ岳から下山したばかりだといふのに、登るのに息がきれてしまつた。
ああ、思ひ出した。
私の顏は雪燒けで眞つ赤、まるで猿のケツ状態だつた。
電話でそんなことを話したら、Ｈはクリームを持つて來てくれたつけ。

下りはロープウェイとケーブルを乘り繼いで下山。
阪急で三宮に出て、驛のすぐ北にあるホテルに宿をとつた。
突然押しかけたのに、付き合つてくれたＨに感謝。




【１９８２年】（２囘生）

サトシと會ふ。北大路 12:00


サトシとは高１高３と同じクラスだつた。
彼は１９８０年の４月から、滋賀のおじさん宅に起居し京都駿台に通つてゐた。
なので、勉強の息拔きに、時々遊びに來てくれた。
この年に大學に合格した筈なので、この時は合格が決まつて羽を伸ばしてゐたのではなかつたか。



【１９８３年】（３囘生）

ロートレック展 「象の行列」が面白かつた


ロートレックといふと、ムーラン・ルージュを思ひ出す。
この展覽會でもムーラン・ルージュに關する作品が出品されてゐたと思ふのだが、どうして「象の行列」なんだらう。
いまとなつては、それがどんな作品だつたかすら思ひ出せない。