見應へのある投手戰

甲子園でのロッテ戰第３戰。
しろーとの私でも手に汗握る、そんな素晴らしい投手戰だつた。
結果は、延長１２囘、１－１のドロー。

先發はタイガースが下柳、マリーンズが渡邊。
兩投手とも投球術の限りを盡した、見應へのある投手戰を繰り廣げてくれた。

３囘表にマリーンズがフランコの當り損ねのやうなヒットで１點先行したが、
その後は下柳が８囘まで押さへた。
８囘表には１アウト３壘といふピンチを迎へたが、さすがは下柳、落ち着いて切拔けた。

８囘裏、好投してゐる下柳を見殺しにはしないといふ野手の氣持ちがあらはれた。
檜山が２ベースヒット。
矢野が送りバント。
藤本のところで代打・濱中。
きつちりとレフトに大きな外野フライを打上げて、同點。

下柳は結局、８囘を投げて被安打６、失點１。
勝ち投手にはなれなかつたものの、内容はそこいらへんの勝ち投手（いがーとか井川とか）を上囘る素晴らしいものであつた。

９囘からは久保田が好投。
１１囘までの９つのアウトのうち、６つまでを三振で奪つた。
最後の１２囘は藤川。
フォアボール２つといまひとつピリッとした内容ではなかつたので、ひやひやしたが、なんとか押さへてくれた。

けふのゲームは、タイガースもマリーンズもともに、投手のゲームだつた。
タイガースに至つてはヒットはわづかに４本。
金本１、檜山２、矢野１。
これで負けなかつたのだから、まあ良しとしておかう。

赤星が出壘出來ないと、なかなか得點に結びつかないのがタイガース打線。
渡邊の投球をヒットするだけの技術がなければ、バントヒットを試みるくらゐの工夫を見せて貰ひたかつた。
２番に入つた鳥谷。
消極的なバッティングではヒットは打てない。
ボールを見てゐるだけでは、ボールは前に飛ばんのだよ。

選手の皆さん、なにはともあれ、９連戰、お疲れさま。
明日はゆつくりと休んで英氣を養つて下さい。