肩の凝らない漢方の話

漢方薬にまつわるあれこれを、気の向いた順に語っていきます。
私たちの生活に根差した漢方の世界をご紹介します。

漢方小噺 ~2024年はどんな年~

2024-01-25 17:21:17 | 漢方小噺

年明けから、大きな災害がありました。犠牲になられた方々に謹んでお悔やみ申し上げます。
 被災された方々には心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早く安心して暮らせる日が来ることをお祈り申し上げます。

 2024年は、十干十二支では、甲辰(きのえたつ)の年です。
中国の古い医学書「黄帝内径 運気篇」によると甲(土運太過)の年で、十二支が辰(土用の位)。
運と位が一致している年を歳会といい、一般に気候が平穏だそうです。

 甲辰の年は、太陽司天・土運太過・太陰在泉で、この年は社会の動きも平穏。
万物は、順調に成長し、繁茂します。
ただ、雨が多く、湿った日が多くなりやすいそうです。
これ以降は、記述通り、平和で穏やかな年になることを願うばかりです。

 この「運気篇」は、天気の変化を
5,6,10,12,30,60年のリズムで統計を取って規律を見つけ、記した書物だそうで、その出典には諸説あります。
また、2000年以上も昔の話なので、現代にあてはめるには無理がありますが、
先人の知恵と思考をたどるのも面白いと思いご紹介しました。
「意訳黄帝内経運気」小木戸丈夫+浜田善利共著(築地書館)を参照しました。
実は、もっとたくさんの記述がありなかなか興味深い書物です。
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★薬食同源★ 旬を食べる「柿」

2023-10-12 14:48:00 | 薬食同源

秋の果物といえば柿ですね。
柿は、万葉集や源氏物語にも登場する、古くから身近にある果樹です。
柿は、実だけではなく、葉、ヘタ、木すべてが役に立ち、捨てるところがありません。

生の実には、ビタミンCの他、カリウム、βカロチン、ペクチンなどを多く含み、風邪や動脈硬化の予防、美肌効果、悪酔いや二日酔いにも効くといわれています。
むかしから、「柿の実が赤くなると、医者が青くなる。」と言われるほど、栄養価の高い果物です。
ただし、胃腸を冷やすので、食べすぎには十分注意してください。

干し柿は、炭水化物、カリウム、食物繊維を多く含み、疲労回復、便秘改善や生活習慣病の予防に効果があるといわれています。

柿の葉には、とてもたくさんのビタミンCが含まれています。
柿の葉で作ったお茶は、血管を強くし、血液をサラサラにするといわれており、生活習慣病や風邪、老化の予防に良いといわれています。
柿の葉茶は、6月から9月にとった柿の葉をきれいに洗い、2日ほど陰干しし、2~3分蒸して、細切りにし、完全に乾燥させます。これに熱湯を注ぎ、10分ほど蒸らし濾していただきます。

柿の渋は、染物や団扇、和傘、渋紙などの工芸品にも使われますが、民間薬としても使われます。
盃1杯の柿渋に同量の大根おろしを加えて飲むと高血圧や脳卒中の予防になるそうです。

柿のヘタ(柿帯 シテイ)は生薬として漢方薬に使われています。
しゃっくりの特効薬で、癌の治療中に頻発するしゃっくりにも効果があることが、国立がん研究センターのHP等でも紹介されています。しゃっくりでお困りの方は、一度お試しください。

また、柿の木は、硬く磨くと光沢がでるため、指物や床柱、茶道具などに使われる銘木だそうです。 

古くから余すことなく愛用されてきた柿。その花言葉は「自然美」「恩恵」。旬の今、柿の恩恵にあずかってみませんか。
柿の葉、柿のヘタ。取り扱っております。興味のある方は、一度お問い合わせください。

最近、なんだか調子が悪い。
「どこも悪くないですよ。」「様子を見ましょう。」と言われたけれど…
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「小腸」の話

2023-08-23 11:36:22 | 健康たより
 
朝夕に虫の声が聞こえてくるようになりました。そういえば、もう処暑ですね。
厳しい暑さも峠を越してくれるとよいのですが。

前回の「心」と今回の「小腸」は臓腑陰陽の関係にあり、対になっています。
「小腸」の働きは「受盛の官、化物出ず。上口は胃の下口で、下口は水分にあたり、水穀を分離し、大小便を分け、大腸、膀胱にわたす。」
つまり、「胃」で消化された糟粕を受け取り、栄養分を吸収し、固形物と水分に分けて大腸と膀胱にわたす働きをすると考えられます。
 「小腸」の働きが弱ると栄養分の吸収が十分できなくなり、エネルギー不足になりやすくなります。
 
お盆休みにおいしい物や冷たい物をたくさんとったという方は、特に注意が必要です。
この時期、夏バテになる方が増えます。
たまった疲れを取り除き、胃腸の働きを良くするように心がけましょう。
ぬるめのお風呂にゆっくりつかる。消化の良い、温かい物を食べる。
夜寝る前に足裏からふくらはぎをやさしくマッサージするのも効果的です。
それに合わせて、体質に合った漢方薬もお試しください。

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「心(しん)」の話

2023-08-03 16:27:30 | 太田薬局からのお知らせ
 
酷暑の夏、私たちの体は、汗をかくことで体温を下げます。発汗は、大切な生理現象です。
漢方では、汗を「心(しん)の液」ともいい、多すぎる発汗は「気」と「水」を消耗し、「心」を弱らせると考えます。

 「心」の働きは、現代医学の心臓と大体同じと考えられています。
 「心」は蓮の花の蕾のような形をしており、ただ血液を送り出すだけでなく、
いわゆる「こころ」の働きも「心」がやっていると考えられています。
君主の官、神明出ず。諸臓は、心の支配を受けます。生命活動の主観で、すべての精神意識、思惟は、「心」の大事な働きです。
精神のうち、神の入れ物です。

 「心」は陽気を生む場所です。その陽気が皮膚から抜け出すのが、汗です。だから、汗を心の液ともいうのですね。
夏の暑さに順応できない、苦み成分のとりすぎ、酸っぱい物のとりすぎでも「心」は弱るといわれています。
また、発汗過多、胸騒ぎ、憂愁、恐れ、悲しむ、などの心の動きも心を弱らせます。
 そして、心が弱ると悲しみすぎるようになります。悪循環です。

 「気」と「水」を補って心の働きを強めましょう。
暑さのせいか食欲がない、疲れが取れない、気が晴れない、汗をかきすぎる。
そんな方は一度ご相談ください。
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「湿」について

2023-06-30 16:31:01 | 薬食同源
店の睡蓮が花を咲かせました。
小さな花がひとつきりですが、可憐な姿は、湿気にやられた心を晴れやかにしてくれます。

梅雨とはいえ、このところの湿度の高さに心だけでなく、体調を崩す方もいらっしゃるのではないでしょうか?
漢方では、「湿」は五邪の一つ。病気を起こす原因と言われています。
消化を助ける「脾」は、湿を嫌います。
自然界に湿が多すぎると脾の働きが弱くなり、胃の調子が悪くなるといわれています。
この時期、食欲不振や消化不良、倦怠感などの不調を感じる方は、
ほんのり甘く、温かい飲食物をゆっくり味わって、食べてみてください。
しょうが湯、甘酒、おかゆ、ココアなど、
この時期に敬遠しがちな食べ物ですが、脾の働きを助けてくれると思います。

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