平成23年度 奏楽堂日本歌曲コンクール「入賞記念コンサート」を聴く。
作曲部門同率3位の2作品はマリンバやヴィブラフォンなど打楽器の伴奏、無調初期の様な実験的イディオム、一つの長いテキストという点で共通していた。
2作品とも聴き手の五感に直接訴える「音の香り」は、作曲者がそれを拒絶するかのように制限されていた。
2位と1位の作品はピアノ伴奏、3つのテキストの組作品、という点で共通し、聴き易い穏やかなサウンドを基軸としながらテキストを音楽で描写することと、絶対音楽として構成することが両立していた。
増田作品の1曲目に出てきた「もういいかい?」の印象的なモチーフが3曲目でピアノだけで控え目に出た時はゾクっとした。
松岡作品の1曲目ではジプシーのヴァイオリン風の断片がピアノで効果的に運用されていた。
巧妙なだけでも平易なだけでもだめで、歌曲は、否、作曲はそれらが両立しなければだめなのだ。
最新の画像[もっと見る]
- アルトフルートのための"The Salutation" 再演 8年前
- 《Breeze in A》の指揮/YouTube 10年前
- 島村楽器ピアノフェスティバル語録(第8回~第10回) 13年前
- アルトサックスとピアノのための《詩篇》初演予定 13年前
- ユーロミュージックから「ショパンのノクターン」楽譜出版 13年前
- 6手のための「ショパンのノクターン」編曲/初演予定 14年前
- バリトン歌曲《月》再演/奏楽堂 15年前
- 初見課題曲 17年前
- ウィンドオーケストラ作品の委嘱 19年前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます