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金子哲夫さんの本

2012年12月26日 17時35分04秒 | 日記

 多分七年振りくらい(?)に読書をしました。

病気のせいか、本を読んだり新聞を読むことが辛くて、避けていた面もありました。


 読んだ本は、金子哲夫さんの本、『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』。

終りの日までは分からないものの、

死に向かって過ごす日々の、終焉に近い時期に書かれた本です。


 それまでは、なんとも軽い感じの人やなぁ、と思っていた人ですが、

どこか気になる人でもありました。

『流通ジャーナリスト』という肩書で、面白おかしく、最後まで活躍しておられてましたが、

ご存知の通り、死の準備を滞りなく行って、逝かれた方です。

『肺カルチノイド』という病名だそうです。
(死亡診断書にもこの病名を書いて欲しい、と彼の遺志だったそうです。)

享年41歳。


 人は、間違いなく死に向かって生きているものですが、

死を目の前にして、どういう過ごし方をしていたのか、と

その生き方を少しでも知りたくて、読みたいと思ったんです。


 彼は幼い頃に兄弟3人を亡くして、一人っ子同然で育ったそうです。

彼の生い立ちから、『流通ジャーナリスト』を名乗ってメディアに出て、

多忙な日々を送るまで、駆け足のように書かれています。


 やっぱり、最後の奥様の言葉には涙を堪えられませんでしたが、

彼の生きざまには、感動を覚えました。


 とはいえ、うつを抱えて、胃ガンも経験したこの身。

お母ちゃんは、『なんていう本を読むの!!』と怒り心頭でした^^;

 でも、死を見つめるということは、生きる意味を知ることだぜ、と反論しながら、

二日ほどで読破。字も大きくて、読み易かったです。


 病気の進行の中で書かれていたので、少しかぶっているようなところもありましたが、

痛み止めもあまり使わずに、ハッキリとした意識を保って書かれたそうで、

彼の意思の強さを感じさせる文章です。


 早すぎる死ではありますが、

尊敬の思いで読み終わりました。

・・・安らかにお休みください、金子哲夫さん。