多分七年振りくらい(?)に読書をしました。
病気のせいか、本を読んだり新聞を読むことが辛くて、避けていた面もありました。
読んだ本は、金子哲夫さんの本、『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』。
終りの日までは分からないものの、
死に向かって過ごす日々の、終焉に近い時期に書かれた本です。
それまでは、なんとも軽い感じの人やなぁ、と思っていた人ですが、
どこか気になる人でもありました。
『流通ジャーナリスト』という肩書で、面白おかしく、最後まで活躍しておられてましたが、
ご存知の通り、死の準備を滞りなく行って、逝かれた方です。
『肺カルチノイド』という病名だそうです。
(死亡診断書にもこの病名を書いて欲しい、と彼の遺志だったそうです。)
享年41歳。
人は、間違いなく死に向かって生きているものですが、
死を目の前にして、どういう過ごし方をしていたのか、と
その生き方を少しでも知りたくて、読みたいと思ったんです。
彼は幼い頃に兄弟3人を亡くして、一人っ子同然で育ったそうです。
彼の生い立ちから、『流通ジャーナリスト』を名乗ってメディアに出て、
多忙な日々を送るまで、駆け足のように書かれています。
やっぱり、最後の奥様の言葉には涙を堪えられませんでしたが、
彼の生きざまには、感動を覚えました。
とはいえ、うつを抱えて、胃ガンも経験したこの身。
お母ちゃんは、『なんていう本を読むの!!』と怒り心頭でした^^;
でも、死を見つめるということは、生きる意味を知ることだぜ、と反論しながら、
二日ほどで読破。字も大きくて、読み易かったです。
病気の進行の中で書かれていたので、少しかぶっているようなところもありましたが、
痛み止めもあまり使わずに、ハッキリとした意識を保って書かれたそうで、
彼の意思の強さを感じさせる文章です。
早すぎる死ではありますが、
尊敬の思いで読み終わりました。
・・・安らかにお休みください、金子哲夫さん。