今日もメジャーリーグの試合を見ていた。
ヤンキースのポストシーズン進出が消滅して、若干惰性的な観戦ではあった・・・。
イチローの不調は、今日も続いているし、それでもなんで見ているんだろうと。
それにしてもイチローの不振はひどい状態だ・・・。
あれだけミートのうまい選手が、ボールを芯に当てられない、
そして守備の面でも、球際に弱くなって、送球の衰えも、、、
走力の衰えも気になる・・・・・
イチローの来季は、、、そして、本人はどんな思いなんだろうか・・・
・・・・・そんなことを考えながら、
少しやりきれない気持ちを感じながら見ていた。
すると、8回途中でなんとマリアノ・リベラが登板してきた。
(負け試合なので、二回をまたいでの登板は考えにくいのに・・・。)
・・・今日は、NYヤンキーススタジアムでの今季最終戦。
今季引退を決めていたリベラは、各地の最終戦で引退セレモニーを行っている。
(ヤンキーススタジアムでも先日盛大な引退セレモニーが行われたことは、
松井も招かれ、ニュースでも伝えられていたので、見られた人も多いだろう。)
地元最後ということで、2回をまたいでの登板というファンサービスなのだろうか。
そして、9回ツーアウト。
当然最後のスリーアウトまで投げるものと思っていたのだが、、、、
なんと、同僚のペティット投手(今季限りで引退する。)とジータ選手がマウンドに近づく・・・。
エッ、どうなっているんだ??、、、と思う間に、ペティットとリベラは抱き合って、そして、
・・・マリアノ・リベラの目からは涙が・・・・・。
どのくらいその時間が続いたのか、随分長い時間のような気がした。
自分がヤンキースから去る、もうこのマウンドでは投げることはない、
・・・・・・いろんな思いが交錯したのだろう、と。
見ていたこちらまで、涙が溢れてきた・・・。
マリアノ・リベラはパナマから95年にヤンキースでメジャーに昇格した。
ちょうど野茂がメジャーデビューした年と同じ年だ。
150キロを超えるスピードなのに、打者の近くで鋭く曲がるカットボールを投げる。
ほぼすべての投球がそのカットボールという、メジャーリーグでも珍しい位球種の少ない投手だ。
150キロを超える速球を投げるだけでもすごいことなのに、
そのボールがバッティングポイントの少し手前で、、、曲がるのだ。
左打者にとっては、内角をえぐられることになるので、
右投手には不利なはずの左打者に強い、珍しい投手という存在になった。
・・・スライダーは、投球では投げる瞬間にボールを指先で切る感じなのに対して、
カットボールは、投げる瞬間に指先で押す感じだそうだ。
おそらくこの感覚は誰でも出来るものではないらしい。・・・
ほんとは去年、引退の予定だったのが、膝の靱帯断裂で、今年に引退を延ばしたリベラ。
普通では考えられないようなことだが、不屈の精神でケガから立ち直り、今年を投げ切った・・・。
しかし、全盛期の投球にはほど遠くて、何回かセーブ失敗の場面もあった。
球速も140キロ半ばくらいに墜ちていたし、苦しい時期もあったと思う。
だが、相変わらずの抜群のコントロールで、今季を乗り切ったのだ。
(ただ、黒田にとってはちょっと苦しい結果もあった。白星を3,4試合黒くされたが…。)
残念ながら、現役最後の目的、ワールドシリーズ制覇は達成できなかったが、
ありったけの力と技術、精神力で最後の一年を締めくくったと思う。
マリアノ・リベラ、44歳、18年ヤンキース一筋のメジャー人生・・・。
その背番号、『42』は、ご存じの通り、メジャーでは最後の『42』。
まだ、試合が残っているので、最後の投球があるとは思うが、
あの150キロを超えるカットボールを見た時の驚きは、
僕の頭の中から永遠に消えることはないと思う。