2月4日は世界対がんデーだそうで、ニュースで何度か流れていた。
そうなんか、と思いながら、自分も10年と少し前、ガンを患っていたことを
思い返す機会になった。
ちょうどET-KINGのいときんさんが若くして亡くなったり、
古村比呂さんのガンの再々発が発表されたり、
ついさっきはレッツゴー三匹の長作さんが亡くなったというニュース。
やっぱりこの病気はつらい闘病があって、重く感じられる。
ぼくの場合は、胃ガンの初期で、当時衝撃はすごかったけど、
死に対しての切実さは、それほど大きくなかったような気がする。
別に格段の覚悟があったわけではない。
普通に告知されたときは、夫婦でショックで泣いたりしたんだが、
死に対しての切迫さは、感覚的に身近ではなかった気がする。
うまく表現できないが。
そして、胃ガンの手術のあと、体調がおかしくなってしまって、
いろいろと検査をしてみたら、うつ病だと分かる。
これが結構重くて、今思い返すと、うつの方がきつかったのかもしれない。
手術よりも一段上のしんどさを感じていたのを思い出す。
胃ガンで手術した頃、もしかしたらすでにうつ病がひどかったのかもしれない。
今思い返せば、そんな気がする。
胃の三分の二を切除した手術だったが、そんなに苦にもならず、
『あ、休めるんや』と思った。ホッとして。
死ぬかもしれないのに、会社を休めるんや、と思うなんて、
やっぱりおかしかったんやろな。
それから、うつで会社を休職、そして治らずに退職したが、
今は寛解の状態。この寛解というのが厄介だ。
体調や物理面にはほぼ問題がなくなっているのに、
なんとなく自分の居場所が不安定な感じ。
でも、投薬治療もなく、ただ不眠剤を飲むだけで落ち着いているのは、
結構なことなんだろうな。
10年で、なんとかここまで回復した、と思うべきなのかもしれない。
とはいっても、胃ガンに罹患した事実も間違いないので、
これまた気をつけねばと、うつが改善してきて、そう思っている。
親父が肺がん、おふくろがじん臓がん。
ガン家系はやっぱり気にしないといけない。
一応、毎年、健康診断は受診している。
ただ、脳ドックとかCT検査やPET検査は受診してない。
こういう検査は破格に高くて、毎年の受診は無理だな。
命にもお金が絡む世の中なのは間違いないな。
ガンは、時としていきなり悪化して命を奪う。
この病魔はやっぱり怖い。初期に見つけて退治していかないと、
厄介なことになる。
ガン手術から10年余り。うつ発症から10年。
冷静に、客観的に病気と向き合いながら、
付き合っていかないといけないな、と思う。