紀伊國屋の新宿南店で出版イベントの小講演会を聞いてきました。
経済評論家の平川克美さんのイベントで、
先日なくなられたというご自身の父親の介護体験を小説にした
「俺に似たひと」の出版イベントでした。
小説はテレビドラマ化されるような話がかなり具体的に上がっているようです。
私自身、現在、祖母の介護をしているところであり、
経済評論家が介護に関してどんな話をするんだろうということで
大変興味をもって聞いてきました。
やはり、生のライブでの作家の話は印象深かったです。
本は介護体験の内容なのですが、
単なる体験記ではなく、
自分を「俺」という主人公にし小説にしているという
少し変わった構成とのこと。
平川さんは61歳、先日なくなられたお父さんは87歳。
25歳の差があるこれまで深くコミットしたことの無い二人の介護をとおした生活を、
介護当時、平川さんがツイッターにツイートした内容をもと物語にし、
そしてツイートの過去ログをもとにしているのでかなり正確具体的な内容になっているようです。
また、父親の介護は平川さんの奥さんにはまったくさせず、自身で行ったとのことでした。
講演ではすごくたくさんの参考になるお話があったのですが、
その中で平川さんの印象に残ったものを少しだけ紹介します。
平川さんは父親の介護を始めてから、
いままで作ったことのない食事作りを始め、
そして、カレーやとんかつを作った話が本の中にあるようです。
その食事作りに関して次のように。
「食事というのは人がいて、作ってありがとうといってくれるから作るし、作れるものだ」
「自分ひとりのために食事は作ることはできないもの」
また次のようにも。
「今の資本主義やグローバリズムというのは、個人、つまり私が主で、
私が良くなるようにするのが人生の目標のように思ってしまっている。
しかし、まったくナンセンス。
人がいる、人のために何かをすることでしか幸せは見つけられない。
その例が食事を作ることなんだ。」
また、父親が病院をたらいまわしになった経験をされたようです。
そこから今後日本に到来する超高齢化社会について次のように。
「私は団塊の世代で、一番人口が多い世代である。
私たちが父親の年齢になるころ、つまり約25年先にはその世代が日本で一番多くなり、
日本の半分が老人となる。」
「今現在でも年寄りが病院をたらいまわしになっているのだから、
25年先はとんでもないことになる。」
「今後、年寄りが年寄りを世話する時代が来ることは明確で世界が歴史上経験したことのない大変な社会に日本はなる。」
「しかし、老人が老人の世話をするのは、それはそれで面白い社会になるんじゃないかな」
ネガティブなことだけでなく、面白いと考えられる知恵や教養があることも大事なのかもしれません。
平川さんは還暦を迎えていますが、正直まだ子供だとのことでした。
自分の世代はみな子供だと。
日本の社会に「おとな」がいないとおっしゃってました。
子供の世話をして半人前、親の介護をしてようやく一人前の「おとな」。
しかし、本当に一人前のおとなではなく、おとなを演じられるようになるだけ、
ペルソナ(仮面)をつけたおとなになれるだけとのこと。
今の日本では、ペルソナをつけたテレビの子役が演じることで大人たちを喜ばしているが、
大人たちはおとなを演じることすら出来ていない。
「おとな」になれるように教養を磨き、物事を考え、振舞っていきたいと強く思いました。
経済評論家の平川克美さんのイベントで、
先日なくなられたというご自身の父親の介護体験を小説にした
「俺に似たひと」の出版イベントでした。
小説はテレビドラマ化されるような話がかなり具体的に上がっているようです。
私自身、現在、祖母の介護をしているところであり、
経済評論家が介護に関してどんな話をするんだろうということで
大変興味をもって聞いてきました。
やはり、生のライブでの作家の話は印象深かったです。
本は介護体験の内容なのですが、
単なる体験記ではなく、
自分を「俺」という主人公にし小説にしているという
少し変わった構成とのこと。
平川さんは61歳、先日なくなられたお父さんは87歳。
25歳の差があるこれまで深くコミットしたことの無い二人の介護をとおした生活を、
介護当時、平川さんがツイッターにツイートした内容をもと物語にし、
そしてツイートの過去ログをもとにしているのでかなり正確具体的な内容になっているようです。
また、父親の介護は平川さんの奥さんにはまったくさせず、自身で行ったとのことでした。
講演ではすごくたくさんの参考になるお話があったのですが、
その中で平川さんの印象に残ったものを少しだけ紹介します。
平川さんは父親の介護を始めてから、
いままで作ったことのない食事作りを始め、
そして、カレーやとんかつを作った話が本の中にあるようです。
その食事作りに関して次のように。
「食事というのは人がいて、作ってありがとうといってくれるから作るし、作れるものだ」
「自分ひとりのために食事は作ることはできないもの」
また次のようにも。
「今の資本主義やグローバリズムというのは、個人、つまり私が主で、
私が良くなるようにするのが人生の目標のように思ってしまっている。
しかし、まったくナンセンス。
人がいる、人のために何かをすることでしか幸せは見つけられない。
その例が食事を作ることなんだ。」
また、父親が病院をたらいまわしになった経験をされたようです。
そこから今後日本に到来する超高齢化社会について次のように。
「私は団塊の世代で、一番人口が多い世代である。
私たちが父親の年齢になるころ、つまり約25年先にはその世代が日本で一番多くなり、
日本の半分が老人となる。」
「今現在でも年寄りが病院をたらいまわしになっているのだから、
25年先はとんでもないことになる。」
「今後、年寄りが年寄りを世話する時代が来ることは明確で世界が歴史上経験したことのない大変な社会に日本はなる。」
「しかし、老人が老人の世話をするのは、それはそれで面白い社会になるんじゃないかな」
ネガティブなことだけでなく、面白いと考えられる知恵や教養があることも大事なのかもしれません。
平川さんは還暦を迎えていますが、正直まだ子供だとのことでした。
自分の世代はみな子供だと。
日本の社会に「おとな」がいないとおっしゃってました。
子供の世話をして半人前、親の介護をしてようやく一人前の「おとな」。
しかし、本当に一人前のおとなではなく、おとなを演じられるようになるだけ、
ペルソナ(仮面)をつけたおとなになれるだけとのこと。
今の日本では、ペルソナをつけたテレビの子役が演じることで大人たちを喜ばしているが、
大人たちはおとなを演じることすら出来ていない。
「おとな」になれるように教養を磨き、物事を考え、振舞っていきたいと強く思いました。