山行日:2022年12月3-4日
メンバー:O石、F見
アイス初めに宝剣岳のF沢に行ってきました。
<F沢取付きの氷瀑>
初日にA沢を下降して偵察に向かいましたが、宝剣岳から伸びる尾根と沢の同定が難しく感じました。
結果としてF沢の取付きまで下っていたのですが、トポに記載の10mの滝は実際に見ると結構な長さに見えます。
ここがF沢なのか確信が持てないまま帰幕し就寝。
<F沢取付き正面>
翌朝6:00にA沢の下降開始。
積雪がほとんどないため、黒く見える山肌とのコントラストで視認がしやすいF沢の氷の連瀑をA沢のかなり上部から見下ろしながら下降する。
一朶の雲の様で美しい。
<写真中央の白く伸びる筋がF沢>
氷瀑の前に着き、A沢のさらに下の様子を眺めて高度と地形図と照らし合わせてもここがF沢だと2人で判断。
余談ですが、とするとF沢に向かって左側が極楽尾根になるのですが、尾根末端の威圧感がイカつい。
滝の左側はつらら状で下までつながっておらず、氷が切れたところから勢いよく水が流れ落ちている。
右側はつながってはいるものの結氷は甘いのですが、この時期に登れる氷はありがたいです。
1P目をF見が20m登って氷の棚でスクリュービレイ。
2P目をO石さんが40mロープを延ばして灌木ビレイ。
雪が積もれば下部10mの氷瀑を残して全部埋まるということなんでしょうか。
雪が積っていないためか、氷が発達しきってないためか、今回はトポの情報からの印象とは異なっており、"ナメ"と表現されているところも、起伏と変化に富んだ飽きのこないルート状況でした。
そうなると、一部Ⅲ~Ⅳ級くらいの自分にとっては適度な難度の氷と岩のミックスの連続で、脇に流れる滝の音を聞きつつ登ったりと、もしかしたらトポに表現されている状態になる前の方が楽しいのかもしれないです。
ただ一点、チョックストーンのある滝はしっかり氷が付いていないと難儀するかもしれません。
我々が行った時は、左の氷はスクリューが打てない厚みで下手に叩けば崩壊するかもといった感じでした。
ここにラインを取るのは技術的にも、精神的にも厳しいと感じましたので、消去法で氷の付いていない右のチョックストーンのあるラインを選びました。
しかし、外から登ろうとすると支点が取れず、自然と中に潜り込んでチョックストーンの間を抜けようとすることになります。
ただ、これが狭い。
不要な装備を全部外してF見が何とかすり抜けて二人で安堵。
O石さんはチョックストーンの外のラインをフォローしたのですが、持参したカムを効かせられない一枚岩のラインなので、A0もできないバランシーな奮闘的クライミングになりました。
<チョックストーンのある滝>
クライミング要素が無くなってからの長い登りをこなしてようやく極楽平付近に出ると、ここまでに結構な時間を費やしており、天気も下り坂でガスっていることからそれほどゆっくりもできずに宝剣岳を抜けて帰幕。
テントを撤収して誰もいない乗越浄土から2人静かに千畳敷駅に下り、最終のロープウェイに乗り込んで今回の山行が終了しました。
お付き合い頂いたO石さん、ありがとうございました。
F見<記>
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