甲斐駒ケ岳 黄蓮谷右俣
日時 :2015年12月18~20日
メンバー:まっきー、I原、U山
日時 :2015年12月18~20日
メンバー:まっきー、I原、U山
黄蓮谷右俣に行って来ました。
氷はいまひとつでしたが、1,200mの標高差を登りきってピークに飛び出す爽快さは第一級のクラッシックルートならではのものでした。
18日 晴れ
山行前の一週間は秋のような暖かい日がが続き、計画変更の必要はないかと気をもんだが、同行の二人に相談したところ、とりあえず谷まで下って判断しようということになって当初の予定通りの出発となった。
駐車場に着いたら、アイスクライミングの装備を持った三人パーティーがちょうど出発するところで、彼らとはこの後、甲斐駒ピークまで行動を共にすることになった。
登山道には昨晩の雪が残るが、刃渡りでもアイゼンの必要は感じない程度。ただ、昨晩からの寒気で気温は低い。
<刃渡り>
<刃渡り>
五号目にほぼ5時間で到着。そこから先、黄蓮谷への下りは三人パーティーが先行しその後を追う。
過去の記録に出てくる赤布やテープ類は見当たらず、アプローチは判然としないが、傾斜の緩そうなところを右手側につなぎながら下る。時折、古い菓子袋やケルンが見つかって大筋では間違い無いことが確認できるが、その先に目印があるわけではないので、確証がないまま下っていることにはかわりない。
しばらく下ったところで坊主岩がみえる方向がずれてきているということで今度は左手方向に傾斜の緩いところを拾って降りてゆくと水が滔々と流れる千丈の滝の下に降り立った。
<千丈の滝>
ここでテン場を探す様子の三人パーティーと別れ千丈の滝を左から巻き上がると右岸側の奥に大きな岩小屋を確認。そこから出合いの滝の左岸高巻きルートをたどるとブログ記事に記載通りの良いテンバがあってそこを今夜のねぐらとする。
<千丈の滝>
ここでテン場を探す様子の三人パーティーと別れ千丈の滝を左から巻き上がると右岸側の奥に大きな岩小屋を確認。そこから出合いの滝の左岸高巻きルートをたどるとブログ記事に記載通りの良いテンバがあってそこを今夜のねぐらとする。
<明日もいい天気になりそうだ>
駐車場 6:50 ~五合目 11:50 ~黄蓮谷 14:15 ~テン場 15:00
19日 晴れ 一時小雪
予定通り、7:00にテン場を出発。水線沿いに登るが水流が多いので冬のいでたちで沢登りをやっている気分。
坊主の滝は下の写真のような状態で氷が上までつながっていないので巻くことに。
<坊主の滝>
<隣の沢を懸垂で渡る>
<坊主の滝>
本当は坊主の滝が登れなければ五号目まで戻ることも考えていたのだが、その上の氷は繋がっているように見えたし、昨日の下りを登り返すなら、多少苦労してもピークを目指したほうがマシと考えての判断だった。
下から見上げると左岸側は上部にはハングが待ち構えているので右岸側を巻き上がり、沢床に降りようと尾根を越えたらそこは坊主の滝に左から合流する枝沢の傾斜が強いスラブ帯で、氷も薄いので渡れない。仕方なくそこから枝沢上部に向けてさらに2Pロープを伸ばし、そこから懸垂で対岸に渡ってさらにそこから尾根を下ってようやく坊主の滝上に降り立つことができた。
下から見上げると左岸側は上部にはハングが待ち構えているので右岸側を巻き上がり、沢床に降りようと尾根を越えたらそこは坊主の滝に左から合流する枝沢の傾斜が強いスラブ帯で、氷も薄いので渡れない。仕方なくそこから枝沢上部に向けてさらに2Pロープを伸ばし、そこから懸垂で対岸に渡ってさらにそこから尾根を下ってようやく坊主の滝上に降り立つことができた。
<隣の沢を懸垂で渡る>
後続の三人パーティーはとみれば、彼らは左岸側の支流をいったん上がり、そこから尾根を乗り越して何の苦労もなく巻いていた。その後、話を断片的に聞く限りでは、彼らは夏に偵察をしていた模様で、我々も事前によく調べておいておくべきだったなと反省した。
坊主の滝から上は、水流はあるもののアイスクライミングができる程度には凍っており、ナメ滝を皮切りに思い思いのラインで登り始める。
<二俣手前>
<二俣上>
二俣を超え、二三滝を超えると、写真で見たことがある氷に覆われた回廊となり、今超えた滝が奥千丈の滝だったことを知る。
<奥千丈の滝 上部>
<ナメ滝帯>
<二俣手前>
<二俣上>
二俣を超え、二三滝を超えると、写真で見たことがある氷に覆われた回廊となり、今超えた滝が奥千丈の滝だったことを知る。
<奥千丈の滝 上部>
ここで、三人パーティーを追い越し長いナメを上がるが、ふくらはぎが疲れるので雪が出てくるたびにしばらく立ち止まって休みながら高度を上げる。
<ナメ滝帯>
ナメ滝帯の最後あたりで、先頭のまっきーがスラブの左から行こうとするところを脚が疲れるので傾斜が緩い右から行くように指示するが、最後の詰め上がりで岩が出ていたのでロープを出す羽目に。この様子を見ていた三人組はまっきーがとろうとしていたラインから何事もなく通過する。
その先、インゼルの手前から雪が増え始め、それに比例してラッセルの時間も増えてきた。
インゼルを超え、少し大きめの滝を右のコーナーから超えると三段からなる奥の滝が見えてきた。
<奥の滝>
<頂上を目指してラッセル>
<奥の滝>
奥の滝は一番標高の高いところにあるだけあって今回見たなかでは一番立派な氷だった。できたら一段目から登りたいところだったが時間もおしているので一段目は右手から巻き二段目からロープをつけて登る。
傾斜は緩いがここまでの登りで脚も腕も疲れていて油断できない。途中、ヌンチャクが足りなくなったので、予備のスクリューと一緒に上げてもらい、50mロープ目いっぱい伸ばして立ち木でビレイする。
<奥の滝 二段目>
三段目をロープを使わずに超えるとあとは2パーティー一体となってピークを目指しラッセルに精をだす。それほど深いラッセルではないが時折腿辺りまでもぐるところもあったり、何よりも氷で脚が疲れているので思ったようにスピードが上がらない。ラッセルのサイクルも、ずいぶんまわしたなあ。
<奥の滝 二段目>
三段目をロープを使わずに超えるとあとは2パーティー一体となってピークを目指しラッセルに精をだす。それほど深いラッセルではないが時折腿辺りまでもぐるところもあったり、何よりも氷で脚が疲れているので思ったようにスピードが上がらない。ラッセルのサイクルも、ずいぶんまわしたなあ。
<頂上を目指してラッセル>
それでも青空に浮かぶ半月が随分と明るく見えるようになってきた16時過ぎに、眼前に北岳が現れて大望の稜線にとび出した。そして、そこから目と鼻の先の頂上の祠の前で登頂の握手を交わす。
<頂上着>
20日 晴れ
この日は明るくなるまで寝ていようと思っていたが、周りの皆さんの出発準備の雰囲気に目が覚めてそのまま朝食、パッキングを済ませて下山を開始。
<頂上着>
周囲を見渡せば残照に照らされた山々がオレンジ色に染まって美しい。
それにしてもどの山を見てもこの時期だというのに雪が少いなあ。富士山も沢筋にしか雪が見当たらない。
<富士山~北岳~仙丈岳>
<記念撮影>
それにしてもどの山を見てもこの時期だというのに雪が少いなあ。富士山も沢筋にしか雪が見当たらない。
<富士山~北岳~仙丈岳>
風も強いし日暮れも間近なので記念撮影を済ませたら早々に下山開始。
八合目手前でヘッデンを点け、あとはトレースを頼りに暖かい七丈小屋へ。
八合目手前でヘッデンを点け、あとはトレースを頼りに暖かい七丈小屋へ。
この日は、第2小屋のみ営業。管理人さんが先客に詰めてもっらって就寝スペースを確保してくれた。(U山はこの第2小屋には30年ぶりの宿泊。当時は避難小屋だった。)
小屋内には既に就寝モードのお客さんが何人もいたが、消灯時間の8時まで明かりをつけてゆっくりとさせてもらった。ちなみ昨日から行動を共にした三人パーティーはテント泊だった。
テン場 7:00 ~坊主の滝上 9:00 ~インゼル 11:15 ~奥の滝上 14:20 ~頂上 16:15 ~七丈小屋 18:00
20日 晴れ
この日は明るくなるまで寝ていようと思っていたが、周りの皆さんの出発準備の雰囲気に目が覚めてそのまま朝食、パッキングを済ませて下山を開始。
5号目にはテントが4張りほどあって、この日の黄蓮谷は賑わっていそう。
刃渡りから眺める八ヶ岳はすっかり黒くなっている。
駐車場到着はU山がちょうどど12時。I原、まっきーはその1時間以上前に到着しテントを干してすっかり乾いたということで、自分が感じる以上に歩くスピードが落ちているようだ。
こんな調子だとスケールの大きなルートに行けるのもそう長くないかな?
登り残したルートは早めに片付けなくては行きそびれてしまうなと痛感した山行でした。
七丈小屋 7:25 ~駐車場 11:00 (U山 12:00)
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