世界的大企業Apple社を創業したスティーブジョブズ氏も、Facebook社を立ち上げたマークザッカーバーグ氏もさっさと大学をドロップアウトして「他の方法」で世界的な富豪になった。
たぶん中学でも高校でも、このお二人は先生たちから「反抗的なガキ」として憎まれていたと思う。興味のない教科の勉強なんか全然やらなかったはずである。
やりたいことに達するために、しぶしぶ迂回的にやりたくないことを我慢してやるようなタイプの人間は、どのような分野においても『イノベーターになる』ことはできない。
ビジネスマンとして、あるいは政治家として、あるいは官僚として、小成することならできるだろう。だが、算盤を弾いて「やりたくないこと」を今は我慢してやることができるようなタイプの人間には『イノベーション』を担うことはできないだろう。
だから、ジョブズやザッカーバーグを「グローバル人材」のサクセスモデルとして示しておきながら、『グローバル人材』になるために、先生の言うことを聞いて、学校の勉強をちゃんとやりましょうと言ったって、それは無理なのである。
グローバル人材と学校教育の間には相関性がない。ぜんぜんないと言っていい。真にイノベーティブな才能は、論理的に言って、その才能の意味や価値を査定する度量衡そのものが未だないのである。
そうである以上、最もイノベーティブな子どもは、学校においては能力計測不能の「モンスター」としてしか受け止められないのである。でも、文科省の役人たちは「モンスター」については何も考えてはいない。
だから、教師たちはモンスターが出現してきたら、青くなって潰しにかかるのである。もし、ほんとうに日本を救うような「グローバル人材」が欲しいと思っているのなら、「モンスター」の取り扱いや育成を真剣に考えるべきなのである。
元モンスターの大人だって、探せばその辺にいるのだから、彼らをつかまえて訊いてみればよい。
「あなたはどうやって学校教育で潰されることを免れて生き延びたのですか?」
たぶん半数が「私、学校に行かなかったから」、残りの半数が「私、帰国子女ですから」と答えるでしょう。
いずれにせよ、「他の方法で金儲けるから、オレ、勉強パス」という子どもは組織的に出現し始めている。カチャカチャとキーボード叩くだけで富を築くような子どもがすでにあちこちに登場している。
教師がそれを制して言うべき言葉があるとすれば、「学校教育の目的は金が稼げる知識や技能を習得させることじゃない」ということに尽くされる。
それ以外に、彼らを学校教育に引き戻す言葉は無いと思う。しかし、今の日本の教育行政を担う人たちは、「こうすれば子どもたちは学校で勉強するようになる」と利益誘導のリアリストで、もうこのロジックが破綻してることにまったく気づいていない。
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