すずきせいこの「日々雑感」

政治や暮らし、孫のことから平和・原発問題まで“本音でしなやかに”・・・

参院選、若者たちと「暮らしの手帖」と

2016年06月13日 | 本・雑誌・映画

昨夜からの雨で、気象庁は北陸地方(新潟県)が梅雨入りしたとみられると発表です。野菜や草花にとっては待望の雨で、畑をしている人たちは「まだ足りない」と呟いています。

呟きといえば、このところの大人たちは「今どきの若者はねえ」とよく言っていますが、さてその大人たちはどうでしょうか。趣味やカルチャー通いでその道には熱心でも、こと政治の話題になると嫌な顔をする人が少なくない地域性を感じます。

去る3日、「安保法制を考える市民の集い」で宝田明さんの講演会後の意見交換で、フロアーから市内の15歳の少女の発言がありました。「私はまだ選挙権がありませんが・・・」と、戦争反対への気持ちと「早く18歳になって投票したいです」という声に会場の大人たちはハッとしました。

また昨夏の県少年の主張で最優秀賞に選ばれた糸魚川市立東中学校3年の根間るるさん、集団的自衛権をきっかけに祖母から聞いた沖縄戦の悲惨さをもとに「命(ぬち)どっ宝~命こそ宝~」と主張したことを思い出しました。るるさんは最初にステージで、“赤紙”に見立てたピンク色の紙をパッと掲げて戦争と“赤紙”のことにふれ、最後にビリッと破いたそうで大人たちは驚いたようです。新潟県の西の端っこの“情報の過疎地”ともいわれる当市で、このような少女たちがいることを嬉しく思います。

10日付けコメント欄でメル友から「花森安治の遺言」として、「政党や政治に、けじめがなくなったときが、独裁者のいちばん生まれやすいときである」と『花森安治 灯(ひ)をともす言葉』(河出書房新社 1300円+税)の紹介がありました。「半世紀も前に発したメッセージが、いますごく新鮮に受け止めることができるのは・・・」とお寄せいただきました。

『暮らしの手帖』初代名物編集長の花森安治さん、人生を照らすこの言葉集は13年7月初版で、特に「この国について」の項では深く考えさせれます。また季刊誌82(6-7月号)の「若い人におくる選挙ガイド」ページでは、初めて政治参加に感じる懸念や不安を丁寧に取り上げています。言葉集ととも糸魚川図書館に置いてあるかどうかは未確認ですが、お薦めの一冊です。 

今日は森ゆうこさんの新しいチラシが22日までなら、リーフレット(討議資料)と違いポスティング可能ということで、市内の知り合いらの家に届けました。公示日まであと一週間程ですが、雨が足りないよりも私には時間が足りない日が続きます。


“今回ばかりは野党に一票”、「通販生活」夏号

2016年05月31日 | 本・雑誌・映画

以前はカタログハウス『通販生活』を定期購読でしたが、公務を離れて“断捨離”もあり紙類などをできるだけ増やさないようにと、購読を止めてネット配信に切り替えていました。上越の友人が本誌夏号の特集「7月参院選挙」を熱く語るので、興味が深まり先日お借りしました。

表紙は“声明 私たちはっている”と、高市早苗総務大臣の「電波法」発言は憲法及び放送法の精神に反していると、田原総一朗さんや鳥越俊太郎さんらの呼びかけで、現在のテレビ報道を取り巻く環境が著しく「息苦しさ」を増していると訴えています。

特集ページでは『自民党支持の読者の皆さん、今回ばかりは野党に一票、考えていただけませんか』の見出しで、『通販生活は買い物雑誌なので、自民党支持の読者もかなりいらっしゃいます。たまに安部首相批判の記事をのせると、「けしからん、買い物以外に口を出すな」という抗議のお手紙をいただきます』と・・・。

さらに『多数におごることなく、アメリカにもおもねることなく、つねに民主主義的手続きを尊重するフェアな保守政党としての自民党に変わってもらうには一強多弱はよくありません。いまの「ものいえば唇寒し」の気分、どこかの国に似てきたように思いませんか?』と、鋭い指摘です。

さらにページをめくると、法政大学法学部教授の山口二郎さんが『安部政権が歴代の自民党政権と特に異なる性格は、「いちばんやりたい政策を選挙のときに隠してしまう」ことです』と・・・。続いて、ジャーナリスト・映画監督の三上知恵さんが『いま建設されようとしている辺野古の基地は、普天間飛行場の代替施設ではありません。・・・・・本土のみなさん、普天間飛行場は沖縄の米軍施設の全体の1割にも満たない。・・・』と、ハッとする言葉です。そして『7月の選挙で米国の言いなりになる自民党に対抗し得る野党の努力を・・・』と述べています。

また『通販生活』春号の巻頭言「山椒言」では、東京大学大学院の高橋哲哉さんが『本土に住む国民の多数が日米安全保障条約を支持するのであれば、米軍基地を沖縄から本土に引き取るべきではないですか』と、沖縄も同じ日本であることを再認識の“耳の痛い”言葉です。

日本のメディアが低落してしまった昨今、こんな“痛快”なる雑誌があるでしょうか。参院選新潟選挙区では野党統一候補に森ゆうこさんが決定して1ヶ月余り、皐月5月の最後にどうしても書き込んでおきたいことの一つでした。


知らずに浴びている電磁波の危険性

2016年05月22日 | 本・雑誌・映画

電磁波の危険性について日本国内ではほとんど報じられておらず、これまで月刊『食べもの通信』では、ダイオキシン・環境ホルモン国民会議理事長の水野玲子さんの“見えない有害物質と子どものと健康講座”で何度か取り上げてきました。

本誌5月号では「“スマホ”で子どもの脳は大丈夫?!」特集号で、三大発生源は携帯基地局・スマートメーター・・リニアなど、携帯電話で脳腫瘍と精子異常の恐れを指摘した編集内容です。先週の役員会で、本誌の申し込みが多いことを食べもの通信社から報告され、毎日身近に使っているだけに関心の高さが伺えました。

子どもは頭蓋骨が薄く、免疫系も未発達で電磁波の影響を受けやすいと考えられ、学校内の無線LANで体調不良を訴える子どもたちが増えるなどの事例や、電磁波が発達障害にも影響し、妊娠中の携帯電話が危険なことなどを環境ジャーナリストの加藤やすこさんが取り上げています。

また電磁波問題市民研究会事務局長の大久保貞利さんは、自然界の太陽が発生する電磁波と違い、人工の電磁波は強いエネルギーで生命体に大きなダメージを与えることで、いつも人体の近くに置かれ長時間電磁波を発生させている携帯電話やスマートフォンの影響は深刻であることを指摘です。

今回の特集で私も初めて、諸外国では電磁波の厳しい規制が進んでいることを知り、日本では企業への配慮で知らされていない現状と、「知る権利」「知る義務」を考えてしまいました。

このところの皐月晴れの温かさで、隣りの孫たちの家の駐車場横の花壇のバラが咲き出しました。管理はほとんど私の担当で、というよりも私が勝手に植えたバラで、子どもたちの成長を見ているようで目を細めています。上の写真は京成バラ園の四季咲きの「ハイランド」で植栽3年目、春は秋に咲く花よりも色が濃いめです。下は大輪のカップ咲きのつるバラ「ピエール・ドゥ・ロンサール」で、花びらが虫に食われてもきれいに咲きました。

ところで市の関係する仕事をされている方から、『食べもの通信』4月号特集「発達障害 食事療法からのアプローチ」を読んで、「今まで知らなかったことで驚きました」と・・・。健康へのアプローチ情報がいっぱいで、嬉しいことに定期購読の方が増えていますが、「図書館にも置いてほしい」という市民要望もあり、前年度に見本誌持参で教育委員会担当課長にお願いに伺ったところ財政難を理由に断られました。ちなみに魚沼市の大平悦子市長は「担当課でも活用します」と、嬉しい定期購読です。

年間購読8千円の心身ともに健やかな暮らしへの答えがいっぱいの専門誌ですが、「日本一の子どもを育てる」と声高らかな糸魚川市にあって、さて新年度になって管理職らの認識が少し変わったでしょうか。さらに“年功序列人事”に市民の不満も聞こえますが、“有能なる人材”が隠れて見えないことにもかなり問題があるようですね。

※『食べもの通信』http://www.tabemonotuushin.co.jp/


自民党憲法草案を「知る義務」と北陸新幹線と

2016年05月20日 | 本・雑誌・映画

今日は月刊『食べもの通信』編集の研究会役員会に上京で、いつもと同じく北陸新幹線「はくたか」から長野駅で「かがやき」に乗り換え、東京駅には「はくたか」よりも20分早く到着です。この20分が午後からの会議を前にして貴重な時間です。

今日は、千代田区神田神保町の合同出版社の一角をお借りしている家庭栄養研究会へ立ち寄りました。用事を済ませてから事務局担当のFさんと近くのお蕎麦屋さんで昼食を、その後は地下鉄で一つ目の駅前の九段生涯学習館へと急くあわただしさです。

新幹線の車中では先日、上越の友人からお借りした小林節慶応大学名誉教授と樋口陽一東京大学・東北大学名誉教の対談『「憲法改正」の真実』(集英社新書 760+税円)を読み通しました。帯にはお二人の顔写真で、護憲派の樋口教授は「国家の根幹が破壊されてしまう」と、自民党に寄り添う改憲派の重鎮だった小林教授は「自民党案なら日本は先進国の資格を失う」と・・・、これだけ見ても読みたくなる新書です。 

憲法学者の対談書だけに、どのページを開いても参考になり特に「知る義務」という言葉が新鮮です。「知る権利」は消費者問題などでも周知されていますが、ここでの「知る義務」はアベ政権で破壊された立憲主義と民主主義を奪還するために使われています。

例えば沖縄返還で日米にどういう密約があったのかを知るよりも、西山太吉記者と女性事務官との関係が注目され、返還で日本がアメリカに大金(裏金)を払う政府間密約という重大な事実をメディアは国民に知らせなかったこと・・・。これは国民の側が権力者のあり方をチェックし、この社会は正常なのかを判断していく材料にすべきだったことで、国民が「知り義務」を怠った結果でもあると指摘です。

また自民党憲法草案の各条文を検証し、国家の体制をどのように旧体制回帰へ変えていくのかを詳細に語っており、手元に置きたい一冊でネットで注文することにしました。今、この国で起きていることについて知らなければ正しい投票ができず、「知る義務」を果たすかどうかで、この先の国のあり方や子どもたちの未来が決まってしまう、その緊張感の必要性をお二人が訴えているお薦めの新書です。

5時に会議を終えての帰途の北陸新幹線、東京駅から2時間丁度で糸魚川駅に到着していた「はくたか」は、2時間27分を要しています。どうしてかなあと時刻表を開くと、到着駅が変わったことに加えて長野駅ではなんと12分間も停車です。わずか27分の差でもこれが新幹線開業前なら大変なことで、いつの間にか開業一年目の3月のダイヤ改正で変わっており、そんなことで自民党憲法草案と「知る義務」を重ねる終日です。

※『食べもの通信』5月号、電磁波特集については次回で・・・。


伊藤塾の伊藤真さん“憲法は子どもたちへの贈り物”

2016年04月13日 | 本・雑誌・映画

桜(ソメイヨシノ)が散り始め三寒四温を繰り返している中で、市内徳合地区の「枝垂れ桜の里を世界一にする会」から便りが届きました。孫たちの庭の桜の木も新芽が出たと思ったらあっという間の葉桜です。

ところで先日の立憲主義と憲法を守る新潟県民の集い」中でのヘルマン・ゲーリングはヒトラーの後継者に指名されるなど、高い政治的地位を占め全ドイツ軍における最終階級の最高位の国家元帥で、言行録が出るほどたくさんの言葉を残しています。

講演レジュメより『もちろん、人々は戦争を望みません。・・・・・政策を決めるのはその国の指導者です。それに人々を従わせるのはどんな政治体制であろうと、常に簡単なことです。・・・国民にむかって、我々は攻撃されかかっているのだと煽り、平和主義者に対しては、愛国心に欠けているいるし、国を危機に曝していると非難すればよいのです。この方法はどんな国でもうまくいきますよ。」と、伊藤真さんはヘルマン・ゲーリング元帥の言葉を紹介です

こうして考えると今のアベ政権にピッタリで、「ドイツナチスの手口に学べ」の自民党麻生副総裁の発言からも、その歴史認識もさることながら政治家としての資質と勉強不足が伝わってきます。

さらに伊藤真さんは憲法と法律の違いについて、「憲法は法だが法律ではない。憲法は国権力をしばる、法律は国民をしばる」と指摘し、ここでいう国家とは人為的に作られた権力主体としての国で、憲法は文化・歴史・伝統・宗教からは中立であるべきと・・・。

会場で昨年5月に出版された伊藤真著『あなたこそ たからもの』(大月書店 1300円+税)を孫たちへと求めました。帯には「憲法を幼い子どもにも知ってほしいけど、なにから話したらよいのか迷っている方へ。この絵本で、子どもたちに憲法の大切な精神を手渡すことができます。」と・・・。孫に渡す前に何回か読み、これはカン違いをしている大人たちへの必読書ではと思う昨今です。


“豆腐の上の原発”と「原発大国とモナリザ」

2014年10月05日 | 本・雑誌・映画

世界最大出力の東京電力柏崎刈羽原子力発電所を抱える新潟県にあっては、その再稼動について無関心ではいられません。新潟大学の立石雅昭名誉教授がまとめたブックレット『“豆腐の上の原発”を動かしてはならない』を読みました。この8月初版で、規制委員会がふりまくニセの「新・安全神話」で“豆腐の上の原発”を動かしてはならないことがしっかりと伝わってくる県民必読の書です。(にいがた自治体研究所発行 700円+税)

もう一冊はフランスと日本を行き来する工業デザイナーの竹原あき子さんの『原発大国とモナリザ』です。昨年11月初版で、この8月下旬に「黒岩たかひろML」で黒岩秩子さんから紹介があり、そのタイトルとともに興味深い内容なので直ぐに注文をと思いながら一ヶ月が経過しすっかり忘れていました。建築の友が8月上旬にフランスから帰国してまたフランスへ戻る合間を縫っての竹原あき子さんの講演を聴講、9月27日付けブログ「日々好日・・いちよう」
に書き込んでおり、早速ネットで注文しました。本書は「フランスのエネルギー戦略」というサブタイトルで、なぜフランスは原発をとめられないのか、ドイツに学んだエネルギー転換を女性工業デザイナーならではの視点でまとめています。(緑風出版 2200円+税)

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ところであのモナリザと原発がどうして関係あるのかといえば、モナリザを筆頭とするルーブル収蔵の美術品を外国へ貸し出すことの見返りで、原子炉と核燃料ウランを売り使用済み燃料処理までをビジネスにしてゆくのがフランス政府の世界戦略だったというから驚きでした。そして日本企業と手を組んで中規模出力の原子炉を中国、アジア、アフリカ
近東まで輸出をもくろんできました。またフランス政府と世界最大の原子力産業のアレバ社は、ドイツ政府とシーメンス社の関係と同じで双方が原発を推進・・・、ところが2009年にドイツのシーメンス社は原発が利益にならないと判断して、アレバ社との契約違反賠償金を払ってアレバ社との合併から撤退をしました。

その2年後の福島第一原発事故でドイツ政府は、直後の3月15日に7基の稼働中原発をすべて止め、6月には原発からの完全撤退を決定しました。しかしフランス政府は、核燃料棒やMOX燃料(プルトニウムとの混合)があり、すぐに撤退することができません。原発大国といわれるフランスで、原発の危険性で再生可能エネルギーにも挑戦しはじめ、その思いがけない姿が現地取材から伝わってきました。

また竹原あき子さんは本書の「はじめに」「高木仁三郎氏にささげる」と、「おわり」に「フランスは被爆国ではないが、驚くほど放射能に敏感なところがある」と、そして「原発推進にしがみつく利権の構図を公表するフランスのメディアの健在ぶりを久しぶりに見た」とも・・・。そんなことで日本のメディアと閣僚らの鈍感さを、今朝のNHK日曜討論で垣間見る思いです。甘利経済再生大臣の原発再稼動に向け、原発リスクによる巨額の国費投入や使用済み核燃料処理などにはふれない経済一点張りを聴きながら、やはり安倍政権に早く終止符を打たねばと痛感です。(続く)


孫と感動、映画「夢は牛のお医者さん」

2014年07月30日 | 本・雑誌・映画

梅雨が明けた29日、朝方には気温が20度まで下がって涼しい午前中でした。昼過ぎから大空の入道雲を横目に、能生生涯学習センターへ夏休み中の孫とドキュメンタリー映画「夢は牛のお医者さん」を見に出かけました。映画はTeNYテレビ新潟局が主人公の少女の仔牛との出会いから夢を持ち、実現していく26年間の密着取材で、舞台は新潟県松代町(現在の十日町市)です。この上映会は糸魚川市商工農林水産課の企画によるもので、大人500円で中学生以下は無料とあって満員で入場できないのではと出かけましたが、会場は比較的空いており子どもたちの少ないことに驚きです。

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映画は日本テレビ系列の全国ネット番組「ズームイン!!朝!」や「NNNドキュメント」などでも取上げられて、上越市高田館でも上映されていたので是非とも見たいと思っていた話題の作品でした。1987年、豪雪地の全校児童数9人の小さな小学校に3頭の子牛がやって来て、当時、小学3年生だった主人公(高橋知美さん)が子牛の世話を通して「牛のお医者さん」になると夢を抱きました。

主人公はやがて親しんだ牛との別れを経て家族や周囲に支えられながら、県立高田高校から
難関を突破し岩手大学獣医学部へ、ペットではなく「家畜」の獣医になりました。今は結婚して2児の母となり上越市内に勤務し、日々かけがえのない命と向き合い続けるその姿を通して、夢を持つことの大切さが伝わってくる爽やかな感動の映画でした。それにしても「日本一の子どもを育てる」というなら市教育委員会も積極的にと、タテ割り行政の“拙さ”も一緒に伝わってきました。

http://www.teny.co.jp/yumeushi/staff.html

上映会はこの後、市内2ヶ所で上映されますので、お近くの方は是非お子さまとご一緒に!

7月31日(木)19時~20時30分「ビーチホールまがたま」

8月1日(金)19時~20時30分「青海総合文化会館」

<問い合わせ 糸魚川市商工農林水産課 TEL 025-552-1511>


晴耕雨読の「里山資本主義」と「戦争で得たものは憲法だけだ」

2014年05月09日 | 本・雑誌・映画

このところ晴れた日中はガーデニングを楽しみ、雨天の日にはできるだけ書棚の本を再読するスローライフです。先月29日、アオーレ長岡で地元ケーブルテレビ局開局25周年の講演会で「デフレの正体」の藻谷浩介氏の特別講演がありました。演題が「人口減少・高齢化社会を乗り切るー里山資本主義と長岡」なので、現職議員なら飛んで行ったところです。参加された市外の議員や知人らがその内容を高く評価していることもあって早速、著書「里山資本主義ー日本経済は安心の原理で動く」(角川書店 781円+税)を注文です。

本書ではNHK広島取材班の「はじめにー里山資本主義のススメ」の10数ページの的を得た書き出しで、人類が100年も信じてきた“常識”を打ち破る提案が満載です。また藻谷氏の講演は常にデータを駆使しての展開で「政治家は数字をチェックしないでしゃべるな」が持論ですが、会派で群がる“安心の原理”に浸っている議員らには耳の痛いことかもしれません。


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これまで藻谷浩介氏の講演は何度か聴講したことがありますが、県女性財団主催“にいがた女と男フェステイィバル”での「今こそ発展の鍵は男女共同参画」を鮮明に思い出します。(2011年6月26日「日々雑感」書き込み) あれから3年が経過し、当市も北陸新幹線開通を目前にしたまちづくりと男女共同参画推進分野の取り組みが進まず、昨年春から公職を離れたことでより他市との格差を痛感するばかりです。

次に、落合恵子・佐高 信 編「戦争で得たものは憲法だけだ」(七つ森書館 1200円+税)は、2006年8月初版で求めたもので、もう一度読み返しました。04年に発足した「
憲法行脚の会」の呼びかけ人の両氏と、香山リカ・姜 尚中・城山三郎・辛 淑玉・土井たか子・三木睦子さんら12人の執筆者が憲法と戦争を語っており、今だからこそのおすすめの一冊です。

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ところで一昨日の藤の写真では、その“ど根性”が見えず今朝の愛犬との散歩でもう一度反対側から撮り直しです。こうしてみるとブロック塀にバランスよく乗っかって、均等に花が垂れ下がっていることが伝わります。近郊の農家では田植えも終わり、これから山間部へと移ります。藻谷氏の「里山は金銭換算できないほどの価値観を生み、爽やかな風の吹きぬける未来は、一度忘れ去られた里山の麓から始まっている」の言葉が実感できる
新緑の眩しい季節です。


「すてる前にちょっと待って!」

2013年11月29日 | 本・雑誌・映画

年の瀬が近くなるとシャンティ国際ボランティア会(公益社団法人)からお便りが届きます。今年は、ある日突然、軍隊に村を砲撃され着の身着のまま逃げ出して、ジャングルを越えて難民キャンプにたどり着いたミャンマー(ビルマ)の子どもたちの「ぼくたちを忘れないで」という写真と言葉が心に引っかかりました。少数民族カレン族というだけで迫害され、大人も子どもも心身ともに大きな傷を負っています。

 

私はタイ山岳少数民族支援の会やペシャワール会の会員になっていますが、これまで現職議員として期末手当(ボーナス)をいただく度に、些少ながらユニセフを含めて国際ボランティア会などへ寄付をしてきました。

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国内で参加できる支援プログラムには、アジアの図書館サポーターや絵本を届ける運動の他にリサイクル・ブック・エイドもあります。「集めています!すてる前にちょっと待って」と、「読み終わった本や不要になったCD・DVD、ゲームソフトなどが子どもたちの教育支援に役立ちます!」と書かれたお手紙に今まで気づかなかった支援があることも知りました。

これはシャンティ国際ボランティア会が他の団体に先駆けこの取り組みを考案し、2001年からブックオフ・コーポレーション株式会社の協力を受け行ってきました支援活動です。ご自宅や職場の本などを段ボールに詰めて送るだけで送料は無料です。送った本はブックオフに運ばれ、その査定額+10%が寄付となり寄付金は、アジアの子どもたちの教育支援に活用されます。たとえばゲーム1本で絵本1冊を、本4冊で小学生が使うノート5冊を買うことが出来ます。
“あなたの一冊で10人の笑顔が生まれます”
http://sva.or.jp/activity/program/


おすすめの「がん再発予防の食事&生活術」

2013年11月18日 | 本・雑誌・映画

11月も早や半分が過ぎた週末は天候に恵まれて、スノータイヤの交換や庭の冬囲いなどが捗りましたが、断捨離とともにまだ冬の準備でやらねばならないことがいっぱいです。

また日曜の朝から民放各局では、「原発ゼロ」の小泉元首相への批判が続出で、「現実軽視で、政治家として失格・・・」「息子を人質に取られているから、この辺で終わりだ」などが論客から続きました。原発の使用済みの核のゴミをどうするのか、最終処分場問題を論点にしない番組の進め方に首を傾げてしまいました。

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発行が大幅に遅れていた待望の「がん再発予防の食事&生活術」(食べもの通信社発行 1200円+税)は、やっと11月25日第1刷発行となり予約が殺到です。がんは生活習慣病の一つで、日本では2人に1人ががんになり死亡原因の1位が続いています。「手術・放射線・抗がん剤」が三大治療が中心ですが、治療後も多くの人たちが再発と転移に不安を抱えています。アメリカでは栄養療法が注目され、医師が退院後の食事指導をして再発予防に取り組み成果をあげています。

しかし日本では、再発予防のために食事指導を行っている医師は残念ながらまだ少数です。
家庭栄養研究会ではこれまで、がん予防に関する講演会の開催や月刊「食べもの通信」の特集や掲載で、がん予防の食事法を紹介してきました。本書はこれまでの蓄積をもとに、がん専門家の新たな書き下ろしと取材を中心に最新情報をわかりやすく紹介しています。がん再発に不安のある方はもとより、がん予防に関心をもっている方のお役に立てれば幸いです。
※お申し込みは当方か、月刊「食べもの通信」HPから
http://www.tabemonotuushin.co.jp/


「はだしのゲン」の閲覧禁止と地域情報誌「ささら」

2013年08月20日 | 本・雑誌・映画

漫画家の故中沢啓治さんが自らの被爆体験を基に描いた漫画「はだしのゲン」が「描写が過激だ」として、松江市教育委員会が自由に閲覧できない措置を全小中学校49校に要請していたという。このことを知ったのは3日程前のネット上で、市教委は昨年12月に学校長の許可なく児童生徒への貸し出し禁止を求めたもので全校が応じていたという驚くべきことです。


「はだしのゲン」は1973年に連載が始まり、87年に第1部が完結。原爆被害を伝える作品として教育現場で広く活用され、世界約20カ国語に翻訳されており、出版の汐文社ではこのようなケースは初めてということです。
松江市では昨年8月、市民の一部から「間違った歴史認識を植え付ける」として学校図書室から撤去を求める陳情が市議会に出され、同12月に不採択となっています。その後、市教育委員会が内容を改めて確認し、このような対応となったようです。
市議会で不採択としたことは評価できるものの、一部の市民からの「間違った歴史認識・・・」とする偏った意見に対応の何とも情けない教育委員会ではないでしょうか。

そんなことで昨夜のTV朝日「報道ステーション」ではこの「はだしのゲン」閲覧禁止問題を取り上げていました。松江市内6年生の児童が「こんなよい本が読めないとは残念です」と話していましたがその通り・・・。戦争を美化する風潮が強くなる中で今、戦争とはどういうことなのかと子どもたちにしっかりと伝えていかねばと思います。


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ところで最近、能生谷の郷の茶店「えほん」へはすっかりご無沙汰ですが、昨日オーナーから「ささら」8月号が送られてきました。「ささら」はNPOくびき野サポートセンター発行の地域活動の情報誌で、地域の魅力的なことが満載の月刊誌(無料)です。

8月号はオーナーの小林マツ子さんの寄稿「母が教えてくれた“もてなしのこころ”」が掲載され、栃木県生まれの小林さんはお母さん直伝のメニューなどを心温かく綴っていました。

「はだしのゲン」に限らずあらゆる書籍が閲覧禁止になってゆく社会と、表現の自由をめぐり言論や出版に規定を加えようとする自民党「憲法改正草案」・・・、危うい時代に進んでいることを感じてしまうこの頃です。


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写真は黒メダカがいる水瓶の布袋草(ホテイアオイ)の花。


NHK「宮崎駿×半藤一利」と映画「風立ちぬ」

2013年08月09日 | 本・雑誌・映画

7月20日に公開された話題の映画「風立ちぬ」、スタジオジブリ宮崎作品とあってすぐにでも映画館へ飛んで行きたい気分でしたが、このところの忙しさでその余裕もなく少し待てばDVDでもと思っていました。


去る3日、NHK土曜夜のEテレ番組「達人達」は「宮崎駿×半藤一利」でした。
子ども向けファンタジーに徹してきた宮崎駿さん(72)が、初めて戦争のただ中に生きた人々を描いた「風立ちぬ」ですが、この映画をどうしても見せたかったのが近現代史の裏表を知り抜く作家・半藤一利さん(83)だったと熱く語っていました。

また番組では半藤一利さん独自の視点で読み解く「宮崎版昭和史」や昭和に向きあう意味など、お二人の対談を聴いて早く映画を観なくてはの思いになりました。

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そんなことでお盆を前にして明日は東京の弟家族が帰省するので、もう今日しかないと忙しい合間を縫って自分自身への“ごほうび”として上越市の映画館で病院へ行く前に観てきました。

「風立ちぬ いざ 生きめやも」・・・、零戦の設計者という実在の人物、堀越二郎を主人公に洗練された大人のアニメでした。いつもながら宮崎アニメにはメッセージがいっぱい詰まって、戦争に突入した昭和史をしばし考えるひと時でした。


「原発は火力より高い」・・・

2013年08月08日 | 本・雑誌・映画

福島第一原発から1日300トンの地下水が原発建屋周辺の汚染土壌の影響で汚染水となって海へ流出していると原子力災害対策本部が公表しましたが、東京電力はこれまで海へ流出していないと主張していただけに“情報の小出し”にあきれるばかりです。

そんな中でも安倍首相は「世界最高水準の安全性を実現出来る」と原発輸出に積極的です。

また柏崎刈羽原子力発電所の再稼動について、新潟県泉田知事と地元の柏崎市・刈羽村との見解に大きな違いがありますが、私はもちろん泉田知事に同感です。

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つい先日出版された金子勝著「原発は火力より高い」(岩波書店 550円+税)が手元に届きました。「原発は安い」のウソを徹底的に暴いた内容で、金子教授は脱原発への道筋を数字をもとに具体的に提言しています。

また昨年3月初版された脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会編「原発を再稼動させてはいけない4つの理由」(合同出版 600円+税)は、再稼動の問題点やストレストテストでは安全確認はできないことを鋭く指摘しています。

両書とも、原発なしでも電力が不足することはないと示唆している“おすすめの一冊”です。

 

ところで4時56分頃、病室にいた娘と私の携帯電話がけたたましくなる。授乳中の娘があわてるが無理もない。「緊急地震速報、奈良県地方に・・」、TVでも異常な伝え方で、しばらくしてその震度を聞いて??。こんな伝え方をしておいて後で誤報と謝ればいいの!?


月刊「食べもの通信」と「日本国憲法」

2013年07月30日 | 本・雑誌・映画

月刊「食べもの通信」8月号は養殖魚の最新事情の特集で、気になる魚の安全・海の環境問題を取り上げています。

 

今月号のコラム「ひびき」は私の担当で、世界に誇る平和憲法が存続の危機に直面していることで“改めて今、読み返したい「日本国憲法」”の表題で「命と暮らしに直面する憲法を深く読み、考え、広げよう」と綴りました。

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写真の「日本国憲法」は1982年に小学館から刊行され、背表紙に「一家に一冊必読・・・永久保存」と刷り込まれた異色のロングセラーです。今、若い世代に読んでもらおうと、31年前の初版価格(700円+税)よりも200円安く全国のセブンイレブンの店頭に並びました。


初版の「あなたは読んだことがありますか?」は「読んでから考えませんか?」になっていますが、表紙の印象的な赤い水玉模様や大きな活字と29葉の写真はそのままです。

本誌は子どもたちにも分かりやすく、各ページの写真から新鮮な感動が伝わり、より多くの人に手にとってほしい“おすすめの一冊”です。

※「食べもの通信」の見本誌や購読申し込みは当方か下記へ。

http://www.tabemonotuushin.co.jp/